2010/02/19

・°°・(((p(≧□≦)q)))・°°・。ウワーン!!


すいません。
本当にずいぶんご無沙汰していました。
更新しようしようと思っていたんですが、
なんとなく忙しく・・・
いろいろな方から早く更新してくださいと
催促のメールがあったにもかかわらず。
本当にスイマセン。

ゴメンナサ──・゚・(。>д<。)・゚・──イ

 
今年最初の更新がオリンピックだなんて。
いったい今頃更新なんてどうなってんだって感じですが。。。

いろいろと書きたいことはあるんですが、
個人的な所感だけ。




本当に涙が止まりません。
今日の男子フリーを見てからいままでずっと泣いてました 。゚(PД`q。)゚。
(いまも泣いてますが)

ライサのことを責めるつもりはありません。
彼はやるべきことをやっただけです。
いろいろと非難されていますが、
私は彼が四回転に何度も挑戦していたのも知っているし、
また、あの長身でジャンプを飛ぶことがどれだけ大変なことかも知っています。
この競技は、長身は却ってデメリットでしかありません。
その彼がジャンプを習得するのにどれだけ努力をしていたか。
SPのときに西岡さんが「ライサはやめろといわれても
練習をやめないぐらいの努力家」といっていましたが、
本当にそうなのだと思います。
人一倍負っているハンデを練習で克服しようとしていたのだと思います。

それに、ライサだとて年齢的に次があるわけでもない。
フィギュアスケーターの寿命は短いです。
ライサはもう24歳。
スケーターとしては決して若くはない。
その彼が『結果』を求めたとしても、いったいどうして責めることができますか。


でも、だからといって、正直、この結果には納得はいってません。

もちろんプルにもたくさんのミスがあった。
磐石かと思われたジャンプに、彼らしからぬ着氷のミスがいくつもあったし
そのほかの要素もどこか生彩を欠いておりました。
トリノの頃、いや、少なくとも今年のヨロ選と同じぐらいの
レベルの演技ができていれば、と思わずにはいられません。
彼にもミスがあったのです。

そういう点で考えれば、
やはりさすがの氷帝でも、目に見えぬプレッシャーがあったのだろうと思いました。
最終滑走者だったせいなのか、
いつものような帝王オーラがすっかり影を潜めて、
表情も硬い感じで、全体的にすごく調子が悪そうで
ソルトレークシティのときとは別の「硬さ」を感じました。
それが、北米主催のオリンピック特有の空気といわれればそうなのかもしれません。
あの、プルシェンコに対するカナダ人の冷めた反応は、
観客の声援を力にするプルにとっては、本当に耐え難いものだったと思います。
キスクラにいるミーシンコーチとプルの二人が、
小さな檻に閉じ込められて
カナダの観客たちの非難の目にさらされているように
見えたのは私だけでしょうか。


ライサはすばらしかったと思います。
彼だとておそらく金は取れるとは思ってはいなかったでしょう。
彼の健闘には素直におめでとうといいたいです。


が、もしこれが欧州やアジア主催のオリンピックであったらと
どうしても思わずにはいられないのです。

思えば、はじめからプルに不利な採点でした。
第二グループに滑ったことも不運でした。
最初のほうのグループに滑ったことで、
ジャッジに演技点の点数を抑える口実を与えてしまったからです。
もしプルが第五グループに滑っていたら、もっと点数が出ていたでしょう。
おそらく95点は出ていたでしょうから。
プルシェンコ自身、SPの結果を見て納得いかないものがあったでしょう。
SPを終わって点数が表示されたときのプルの表情は
かつてないほど憮然としておりました。
記者会見では彼はなんでもないといっておりましたが、
内心は穏やかではなかったでしょう。
自分を勝たせたくないんだという空気をひしひしと感じ取ったことでしょう。

もしかしたら、プルはその空気に負けてしまったのかもしれない。
ライサやPちゃんの演技を見て、
自分の演技点は抑えられるだろうと感じていたのかもしれない。
ソルトレークのスルツカヤのように疑心暗鬼になったのかもしれない。
それが、フリーの演技の『硬さ』につながったのではないかと。

政治的思惑や駆け引きは関係ないといいますが、
でも、やはりどこかかつての冷戦を引きずっていた部分はあったのではないでしょうか。
なんとなく、ロシアにだけは金メダルを取らせたくないという思惑が
ジャッジ、特に北米のジャッジにはあったと思う。
ましてや、プルが金を取ることになれば、
アメリカのディック・バトン以来の史上二人目のオリンピック2連覇となるのです。
その記録をロシア人に、しかも北米の地で塗り変えられることは
彼らには耐えがたかったはず。
そういう思惑もどことなく見え隠れしてすごくいやな気分です。
そして、そういう思惑に左右されてしまったプルが、かわいそうに思えてなりません。


それでも、私は彼が復活してくれたことにとても感謝しています。
ほんとうにありがとうっていいたい。そして、ごめんなさいって謝りたい。
プルがこんなふうに完全復帰するとは思っていなかったですから。
本当に最近まで、あのがめつい奥さんにだまされて
復帰させられるんだって思ってましたからwww

でも、その奥さんのおかげでリアルタイムで彼の演技を見られたことも確か。
トリノ以降ファンになったニワカな私にとって、
初めてリアルタイムで彼を追うことができました。
かなうことはないだろう夢を彼はかなえてくれました。

プルの動向に一喜一憂しては、
ロステレコムの劇的復活には歓喜し、
ロシアナショナルの前の怪我にはもうだめかと落胆し、
そして、バンクーバーでは手に汗にぎりしめながら、最後には号泣し・・・
本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。

そして、彼がなぜ今になって復活したのか、分かったような気もしました。
プルにとっては金メダルなんて実はどうでもよかったんだなと。
今日のフリーを見たとき、いつものような絶対に
勝ってやるんだという気迫がありませんでした。
いつもの彼ならば、たとえ調子が悪くても他を圧倒するような気迫で
金メダルをもぎ取ったはずです。
しかし、今日、それをしなかったのは、もうすでに金を持ってしまっているからと、
もっと別な目的、4回転を廃れさせたくないという彼の強い思いだったと思います。
プルは勝とうと思えば勝てました。
3-2のコンビネーションにもうひとつ2Tをつけていれば彼の金は確実だったでしょう。
彼ほどの技術力のある選手だったら、それができないはずはありません。
しかし、プルがあえてそれをしなかったのは、
プルにとって3連続のコンビネーションは4-3-2しかないと考えているからです。
3-2-2のような乙女ジャンプなど飛びたくないと。
彼の矜持がそれをさせなかったのだと思います。

ペトレンコがいっていましたが、2度目のオリンピックとは『責任』なのだそうです。
そういうことを考えれば、プルは見事『責任』を果たしたと思います。
4回転へのあくなき思い、技術の進化、そして、フィギュアへの愛。
この人は本当にフィギュアを愛し、そして、フュギュアに愛されているのだなと思いました。
今日、二人の日本人が4回転に挑みました。
残念ながら、ジュベールをはじめ他の4回転ジャンパーはだめでしたが、
でも、小塚選手が、若い選手が4回転を跳ぼうと思ってくれていることはうれしいことです。

確かにいまの採点システムは許せません。
プルがいうように、「点数を操作して、勝たせたい選手を作る」システムなど
あってはならないことです。
ソルトレークのあの悲劇によって、
より「公平な」システムになるはずだったのに、
それがますます悪化し、
より「不公平で、理不尽な」システムになってしまっているのは皮肉です。

どうかこのオリンピックを機会に
ISUにはぜひ今の採点システムの再考をうながしてもらいたい。
『質』への重視とは聞こえがいいですが、私も反対はしませんが、
私が許せないと思うのは、『質』への重視と標榜しながら、
なぜコンパルソリーを復活させないのかということなのです。
コンパルソリーこそ、選手たちの質を高める最良の競技だからです。
にもかかわらず、ISUがそれをしないのは、
コンパルをやれば客が入らないのを知っているからです。
金にならないものをあえてする必要はない。
だけれども、スケートの質は保ちたいからコンパルは
自分たちでやってねといっているんです。
すごい矛盾だと思います。

フィギュアスケートに限らず、スポーツは常に技の進化との戦いです。
かつての大技を習得した者が、さらに進化した大技を習得したものに負ける。
これは必然なのです。
フィギュアスケートもそうあって欲しいと思います。

追記:最後にひとつだけ
いつからプルは『ジャンプだけ』の選手になったのでしょう?
誰も彼の全盛期を見たことがないのでしょうか?
ジャンプはいざ知らず、男子でただ一人ビールマンスピンをこなし、
ステップをやらせればまねできるものはいないと評されるほどの高速ステップ、
そして、バレエを思わせるような全身を駆使した表現力。
プルという人は本来オールラウンダーな選手だったはず。
それをいまの採点システムとはそぐわないからといって、
ジャンプだけの選手と貶めてしまうのは、
はっきりいって侮辱以外の何ものでもない。
ジャッジはこの歴史を塗り替えた選手に対して、
『敬意』というものはないのでしょうか。