2010/02/28

ロシアVSカナダ 1990年以降の男子シングルの歴史から探る②


《①の続き》

カナダ人はロシアが憎くて憎くてたまらない。

カナダ人が誇りとする北米特有のなめらかなスケーティングがまったく評価されない。
逆に、ロシア人のバレエ風味の振付が『芸術的だ』と高く評価される。
大してスケーティング技術があるわけでもないのに。
(決してそんなことはないのですが、コンパルとかもやっているだろうに。
でもカナダ人はそう思っている節がある)

そして、彼らの少しでも勝ろうと4回転ジャンプという高い技術を身につけたが、
その技術力を以ってしても、
『芸術性が高くない』といわれて、認めてもらえない。

これもカナダ人のかってな思い込みだと思うんですよね。
実際ロシア人は、80年代にファデェーエフが
非公式ながら4回転を飛んでますし、
クワドのメソッドは、ロシアのほうが確立している。
特に、プルシェンコやヤグディンの指導をしたアレクセイ・ミーシンは
4回転を飛ばせることにかけては随一の腕を持つとされ、

彼のキャンプの参加すると、
4回転が跳べるようになるらしいですから。
トリノで4-3-2を成功させたランビエールも
ミーシン・キャンプに参加した一人でした。

なんだか面白いですよね。
これって、いまの《4回転論争》と一緒じゃないです?

昔はロシアとカナダは逆を言っていた。
なのに、いまになってなぜ? なぜカナダは『芸術性』にこだわるのか。

それよりも、話を2000年代に戻して、
もう少し男子のシングルの歴史をたどっていきましょう。

1998年の長野以降2004年辺りまでカナダは『冬の時代』を迎えます。
4回転を跳べる優秀なスケーターが現れなかったからです。

しかし、それ以上に「怪物」がこの時代に現れます。
またしても、ロシアに。ヤグプル2強時代の到来です。
ヤグディンとプルシェンコは、ロシアが作り出した最高の逸材です。
そして、ソ連スポーツエリート育成システムで育った最後の世代でもありました。
二人とも4回転ジャンプを持ち、しかも、高い芸術性を持っている。
『芸術性』と『高い技術』の二つを両立させた選手にかなうはずもない。

思えば、このときが男子シングルの最盛期だったのだなと思います。
たぶんこの先、いろんな選手が現れても
ルールが改定されて、4回転ジャンプの比重が高まっても、
この時代の人たちには勝てないような気がする。
ヤグプル以外の人たちじゃなくても、みんなすごかったもん。
ゲーブルや本田武史や、中国の選手たち。みなすごくハイレベルな人たちでした。

ソルトレークが、北米開催のOPであったにもかかわらず、
バンクーバーのような茶番が起こらなかったのは、
ひとえにカナダ人の有力選手がいなかったことと、
どんなに背伸びをしても、全盛期のヤグプルには勝てなかったということです。
この二人では、どんな政治力も八百長もきかない。
そういう点では、若干浅田真央は弱いのかなと思います。
彼女がもう少し圧倒的な強さがあれば、たぶん付け入る隙を与えられず、
このような悲劇的な結果にはならなかったはず。
でも、それ以外にもさまざまな要因があるし、彼女のせいではないですから。

話がずれてしまいましたが、
ソルトレークはいちおうストイコが出ましたが、
もうストイコは全盛期をとうにすぎ、
それどころか、内転筋をいためて歩くことさえままならなかった。

カナダはもうメダルは取れないのではないか。
そう彼らも絶望していたはず。
しかし、ここで思わぬ転機が訪れます。

例のペアの採点疑惑です。
実は、私、男子シングルはトリノから見出したので、
この当時の事情を本でしか読んだことがないのです。
だから、この時のスキャンダルがいかにすごいものだったのかを
リアルタイムでは知らない。
ですが、本を読む限りでは、ジャッジの買収やプレッシャー云々というよりは、
単なるアメリカのヒステリーに過ぎなかったという感じがします。

しかし、何よりも重要なのは、
これによって
100年近く続いていた『採点制度』が大きく見直されるようになったことです。

カナダはこれに着目した。
いまはまだダメだけれども、次のバンクーバーまでに
自分たちに有利なようにもっていけば・・・・。

残念ながら、カナダは有力な男子選手を育成することをある意味失敗している。

ソルトレーク辺りから、バトルが有力な選手として出てきますが、
いかんせん、彼は四回転を飛べない。
これでは当然プルシェンコには太刀打ちできない。
しかも、プルシェンコはジャンプのみならず、
ステップ、スピン、スパイラルと全てが完璧。
それに加え、高い芸術性も備えている。

でも・・・、バトルに有利な採点システムに変えれば、
バトルを金メダリストにすることはできないけれども、台に上げることはできる。
トリノはプルシェンコに取らせて、とりあえずバトルを台に乗せ、
次の母国開催の、バンクーバーで金メダルにすればよい。
たぶんこういう思惑が働いたんでしょうね。

新採点システムはジャンプだけではなく、
ステップやスピンも高く評価していこうと、
テクニカル・ジャッジが細かくレベルを定めて、
判定していくシステムになっています。
このシステムでは、ジャンプが多少飛べなくても、
他の要素でレベルを満たしていれば、高得点も不可能ではない。

幸い、旧採点システムによって引き起こされたスキャンダルにより、
国籍を表示しないということになりましたから、
よりジャッジの恣意性は増したことになり、点数の操作も可能となりました。

こうして少しずつではありますが、バンクーバーに備えて
カナダはルールを変えていったといえます。

そして、例の『つなぎ』のことなのですが、
これこそ、まさにカナダのコンプレックスそのものだと思ってます。
ロシアは高い『芸術性』を持っている。
そして、90年代その芸術性に阻まれてカナダはメダルを取れなかった。
しかし、カナダ人にはカナダ人のプライドがある。
自分たちのスケーティングはすばらしいと感じており、
ロシア人となんら引けを取ることはない。
それどころか、自分たちのほうが優れていると思っている。
ロシアの『芸術性』などただのバレエ崩れだ
自分たちのスケーティングこそが、『芸術』だ。

これが全てなのかなと。

「つなぎ」=カナダのプライド 『芸術性』。

少なくともこのバンクーバーで私はそれを強く感じました。

トリノ以降プルシェンコが長い休養期間に入ると、
男子シングルの様相が徐々に変わっていきます。
特にバトルが2008年に世界選手権で優勝して以降、
しだいにジャンプが軽視されるようになり、
スピンやステップの評価が厳密化されます。
レベル4を取らなくては点数にならなくなった。
さらには、つなぎが満載されたプログラムが重視され、
よりジャンプは難度の高いものから『質』の高いものへと変化していった。

たぶんこれはカナダの有力選手が
バトルからチャンに切り替わったこととも深く関係していると思います。
エッジ使いの上手いチャンに有利なルールへと変わっていった。

この時のバトルの心境は複雑なものだったと推察します。
バトルは、4回転擁護派には叩かれまくってますが、
スケーターとしては悪いスケーターではないし、
実際彼のスケーティングやスピンはすばらしい。
私は彼のスケートが好きだし、たとえジャンプが苦手でも、
彼のことを4回転がと飛べないからといって非難はできない。
彼には、なんというか、スケーティングを
もっと評価されてもいいといえる説得力があった。
つまり、それなりの実力があったということです。

そして、何よりも彼はチャンと違ってすごく性格がよかった。
絶対に他人を貶めるような発言はしなかった。
彼はトリノ五輪で銅メダルに終わったとき、
「去年の世界選手権では銀メダルでしたが、
今回の五輪は銅に終わってどう感じたか」
と記者会見で、インタヴューされたとき、
彼は、「プルシェンコのいない大会で銀を取るより、
彼のいるオリンピックで銅を取れたことのほうが
ずっとすばらしいことだ」と発言していました。

人のよいバトルは、たぶんカナダの黒い意図についていけなかったのでしょう。
ちょうど、チャンがカナダナショナルを優勝したのを気にすっぱりと引退してしまいます。
引退後の彼の充実を見ると、やはりやめてよかったのかなと思います。
現役以上に生き生きしてますもの、彼。

それにカナダスケ連も聡明なバトルよりも、
若くて、刷り込みやすいチャンに切り替えたほうがずっとよかった。

カナダは、オリンピックシーズンを控えた前年、
チャンを世界選手権の台に載せようと奔走します。

《続き》

ロシアVSカナダ 1990年以降の男子シングルの歴史から探る①


お昼過ぎに更新しようと思っていたんですが、
予想異常に具合が悪くて夕方まで寝ていました。

すいません。m(o´・ω・`o)mペコリン

さっそくですが、いろいろと更新していきたいと思います。

ここでの大きなテーマは『なぜ浅田真央は負けたのか』ことなのですが、
その前に、1990年以降の男子シングルの歴史について触れたいと思います。
これは今回のOP女子シングルにも関係してくることなので。

あと、この見解はあくまで個人的なものです。
なので間違いも多いかと思いますのであしからず。

《全てはブライアン・オーサーから始まった》

今回のバンクーバーのフィギュアはおかしなことだらけでした。
おそらくまともな採点をされたのはペアぐらい。
それ以外ははっきりいってクソといっていいほどの、恣意的採点の嵐。
特に私が感じたのは、

カナダ人の、『怨念』といっていいほどのロシア人に対する嫌悪です。

いったいこれはなんなのか。その原因はどこにあるのか。
私の疑問はここから始まりました。

おそらく一番初めは、カルガリー五輪だったと思います。

この地元開催の五輪で、
カナダ代表のブライアン・オーサーが銀メダルに終わったことは
カナダ人たちを痛く失望させました。

オーサーは、結局2大会連続で金を逃してしまったのです。

オーサーのことについては後に詳しく書こうと思いますが、
この人もある意味不幸というか、
でも、いろいろなソースを見ていると、
この人、世界選手権で一度も優勝したことがないし、
こういう、ある意味実績のない人が、
五輪で優勝できなくてもしかたがないかとも思うんですけれどもねえ。

しかし、カナダ人としては納得いかなかったのでしょう。

カナダ人としてなんとしてもメダルを取りたい。
いつもあと一歩でメダルを取り逃がしてしまう。

しかし、まだこの当時、カナダには優秀な人材はたくさんいました。
カート・ブラウニング、エルヴィス・ストイコ
金メダル候補はいくらでもいたのです。
特に、ブラウニングに関してはもうすでに世界選手権三連覇をなしていた。

なので、次のOPでは絶対に金メダルを取れると思っていた。

しかし、またしてもカナダは金メダルを取り逃がすこととなります。
それ以上に、カナダに大きな壁となって立ちふさがる国が登場した。

その国はロシア。
ロシアは実は男子シングルではあまり実績がないんですよね。
ここ何年か、有力な選手が輩出しているので、すごく強いというイメージがありますが、
それは1990年以降の話で、それ以前はアメリカや北欧の選手が強かった。
しかし、ロシアはペアに関しては42年間OPで金メダルを保持し続けてきた国ですし、
また当時は社会主義国でしたから、国威発揚のためのスポーツ振興政策がさかんだった。
全国から選りすぐりの逸材を選抜して、そのなかからさらに優秀な人材を
OP代表にする。そのシステムを男子にも採用すればすぐにメダルは取れます。

1992年にソ連は崩壊しましたが、
同時に、80年代にスポーツ振興政策によって育成された選手たちは
ちょうどOPで闘える年齢となり、金メダル獲得の原動力となっていったのです。

当然、カナダはこのロシアには勝てません。
お金のかけ方がぜんぜんちがいます。ましてや、向こうは社会主義国。
中国を見れば分かりますが、社会主義国のスポーツエリートは
並みの人たちではないですから。
たとえブラウニングであっても勝つことはできなかったでしょう。

といっても、ブラウニングという人は不思議な人で、なぜかOPに縁がなかった。
結局彼はOPは無冠のままで終わります。
いるんですよね、こういう人。なぜかOPでは勝てない。
いまの選手でいったら、ブライアン・ジュベールか。
ジュベも本当に不幸な人です。

でも、ペトレンコは確かにすばらしいスケーターでしたが、
実は、彼が金メダルを取ったとき、
まだ世界選手権で金メダルをとっていなかった選手だったのです。
(すいません。ご指摘がありましたが、文章が下手なもので。
ペトレンコは金メダルは取っていませんが、
世界選手権でメダルは取っています。
金メダルを取っていなかったと書きたかったのですが、
変な文章になってしまって誤解を与えました。
訂正します)
この何の実績もない選手にメダルを奪われたことは
カナダにとって何よりも痛かった。

その悲劇は次のオリンピックでも続きます。
次のリレハンメル。エルヴィス・ストイコが惜しくも銀。
ロシアのウルマノフに敗れてしまいます。
ちょっと、このあたりの事情がよく分からないのですが、
どうもこのウルマノフの金メダルはけっこう物議をかもしたようです。
いろいろ調べたのですが、見つからなくて。
ストイコは4回転を入れたのに、ウルが3Aだけなのに
演技力があるとか、優雅だとかということで金になった?

しかし、ストイコをもってしても金メダルが取れない。
たぶんこの当時、技術という点ではストイコが上だったのでしょう。
ですが、欧州開催のOPということもあって
ストイコのようなやや武骨な感じのスケーターは歓迎されなかったようです。
それよりも、バレエテイストのウルマノフのようなスケーターが評価された。

この当時の動画を見ましたが、
本当に両者、すばらしく、甲乙つけがたい演技でした。
そして、ひじょうに対照的でもあった。
ストイコはひじょうに男性的で、パワフル。
ウル様はまるで王子のよう。
あの長身からはとても想像もつかないほどの
柔らかなスケーティングをするんですよね。
まあ、女性から見たら圧倒的にウル様の勝利でしょうが。

しかし、ちょっと面白い気もします。
この当時、カナダは技術を、ロシアは芸術を売りにしていたということです。
逆に言えば、カナダ人はエレガントではないという理由であまり評価されなかった。
これが、いまのカナダ『つなぎ』至高主義へと
つながっていくんじゃないかなあと思います。
またあとでふれます。

とにかくカナダは不幸の連続でした。
長野でもストイコはやっぱり銀。
しかも、4回転を入れていないという批判を受けたためか、
ロシアはきっちりと4回転を入れれる選手を送り込んできた。
クーリックは4回転も入れ、なおかつ芸術的にもすばらしかった。

ロシアがすごいところは、こういうところだと思います。
中国もそうですが、きちんと実力を兼ねそろえた人間をそろえる。
その上で、スポーツでの政治力を確保する。
この辺が、カナダはまだ甘い。
実力のない選手を政治力で無理やり上げてしまう。
これは逆に、反感を持たれかねない。
でも、まあ、カナダ人はそれでも関係ないんでしょうね。
ずるしてでも勝ちは勝ち。
何が悪いと面の厚い顔をできるんでしょうな。
どっかの国の人たちと一緒だわwww

その点、ロシアや中国はこの辺はしたたかというか、抜かりないというか、
確かに内部ではものすごい政治力を発揮して、
フィギュアに関していえば、
たぶんソ連は旧東欧系のジャッジは全てソ連よりの判定をしていたと思いますが、
それでも、観衆がそれなりに納得していたのは
(体操なんかそうだと思うんですが)
そのような高い点数をもらうに値する実力の選手を
きちんと育成してきたということなんです。
だから、多少後ろ暗いことがあっても
みなそれほど不快にならずに暗黙の了解ですんだのです。

とにかく、90年代はカナダにとっての暗黒の時代でした。
男子シングルで悲願の金メダルをと望みながら、
金メダルに最も近い才能を輩出しながら、
結局、ロシアという巨大な壁に阻まれ、一度も実現しなかった。
このことが後のバンクーバーへの意趣返しにつながってくるんだろうと思います。

《続く》

すいません、またお昼以降に



今日更新しようと思っていたんですが、さすがに眠気が・・・
一晩寝ていないつけが回ってきたようです。

ちょっとだけ今日の感想を書いて、詳しくは明日。

今日、改めてプルのSPと浅田選手の『鐘』をみました。


まず、プルから。
改めてこの人は只者ではないんだなと思いました。
かといって、たやすく『天才』と呼んでいいものか。
彼はもうすでに別の領域に入ってしまっている。
確かに本人比では不調でしたが、
他の選手比では、問題にならないほど圧倒的でした。
なんていうんでしょうかね、
氷上を何気なく滑っているだけでも、異彩を放つというか。
あのオーラはなんなのでしょう。

そして、滑り出したときのあの空気を切り裂くような冷たさ。
正確無比な精密機械を仕組んだようなジャンプ。
すべてがネ申レベル。
まだまだ他の選手が追いつくようなレベルではないと感じました。
だからこそ、アメリカはプルを潰したんだと思いました。
彼らは心底プルシェンコを恐れている。
『畏怖』という言葉がぴったり。
口先だけのちんけなスケーターには一生出せないオーラ。
身の程を知れってんだ。


次に、われらが浅田真央
フリーの例のミスのあと、怖くて見れなかったのですが、
今日改めて見て、すごいプログラムだなと思いました。
あのジャンプのすっぽ抜けは惜しいですが、
それ以外は他の大会よりもずっとよかったです。
特に圧巻だったのは、あのスパイラルです。
あれを見たときもうすでに滂沱している自分がいました。
はっきりいってあれはもう・・・言葉にはなりません。

『鐘』の分析についてはあとで詳しくやりますが、
とにかく、あそこのスパイラルでの浅田選手は
もう『かわいいだけの』真央ちゃんではなかった。
まるで『鬼神』そのものでした。
この子はプル系の全身で美を表現するタイプかと思っていましたが、
プルともヤグともちがう、まさに『憑依系』という言葉がまさにぴったり。
自分のスタイルを確立しつつあると思いますね。
あともう少しアピール力がつけば完璧かな。
『鐘』は来シーズンもやって欲しいというのが私の本音です。
あれはやればやるほど素晴らしくなる。
浅田真央の中にある内なる感情を開放させるにはもってこいのプログラムです。
エキシでもいいからやって欲しい。


コメントのレスは明日お返しします。
すいません、

m(o´・ω・`o)mペコリン

とりあえず、今日は休みます。


2010/02/27

とりあえず、ご連絡まで-今夜更新します



悪夢の男子に続き、
発狂寸前の女子が終わり、
これでフィギュアは完全に終わりを告げた、と思いました。
正直、これ以上フィギュアを見たくはありません。

また、今夜更新します。

『浅田真央はなぜ負けたのか』
①ロシアVSカナダ スケート戦争に巻き込まれた浅田真央とキムヨナ。
②『キム・ヨナ、金メダリストプロジェクト』韓国の戦略。そして、日本の無能さ。
③『鐘』は新採点システムに対応していない?
④では、新採点システム対応のプログラムで彼女は勝てたか。
⑤フィギュアの未来と、彼女の可能性について。

こんな感じで。

プル情報や、今後の彼の抗議について思ったことなども
更新していきたいと思います。
いまはすごく鬱憤がたまってとにかく書きたくてたまらない気持ちです。
昨日は一睡もできませんでした。


2010/02/26

本日は出血大サービス (^ω^;)-浅田真央は日本人の『幽玄』を体現する



まるで数ヶ月の更新を取り戻すかのように更新していますが、
本当はまだ38度熱があって、寝ていなくてはいけないのに、
寝付けなくて・・・

先ほど数時間前、追記にも書きましたが、
父と今日の女子フリーについて議論しました。
というよりも、互いにただ感情的にいい合いをしただけですが。

父はもともとキムヨナが大好きで、
キムヨナはすべてがパーフェクトだと思い込んでいます。
今日も父は「浅田選手はぜんぜんダメ。
ジャンプの失敗をするようじゃもうキムヨナには勝てない。
キムヨナは何をやらせてもすばらしい」
というので、
3Aを入れてもいない選手がどうしてそんなにすばらしいといえるのかわからない
と私がいったら、フィギュアはジャンプだけじゃない、
他の要素もすべてこなすことができて
点数が出るんだ。
男子よりも点数が高くても? といっても、
そんなことは問題じゃない。パーフェクトに滑れるかだけ。
と、ぜんぜん聞き入れてもらえませんでした。

ただこの会話で分かったことは、
結局、私の父は浅田選手が好きではない。
ただそれだけ。これではどうしようもないですよね。
個人の嗜好は変えられませんから。

どうやら父は浅田選手を表現力のない、
ジャンプだけの選手だと思っているようなのです。
そのジャンプだけしかとりえのない彼女がジャンプをミスったので、
もともと表現力のない彼女が、ジャンプをミスってどうする?
もう見る気も起きないと、演技が終わる前に見るのをやめてしまった。

そんな父の態度に心底腹が立ったのですが、
実は、こういうふうに浅田選手を思っている、または勘違いをしている
日本人って多いんじゃないかなとも思いました。

マスコミによる執拗とも言える浅田バッシングも
すべてここに由来しているのではないかと。

2005年浅田選手は得意の3Aを武器に、100年の一度の天才として
華々しくシニアデビューをしました。
GSシリーズを次々と好成績で収め、
オリンピックを翌年に控えたシーズンには、
並み居るメダル候補たちを抑えて優勝。
それにより、彼女をオリンピックへの声が高まりました。
残念ながら、彼女は年齢制限のために出場はできませんでしたが、
彼女の快進撃は続くかのように思われたのです。

しかし、次のシーズンでキムヨナ選手がデビューすると、
東洋人独特の繊細な表現力でセンセーションを巻き起こし、
また、GPFで浅田選手を抑えて優勝してからは、
『表現力のヨナVSジャンプの真央』とマスコミが
まるでプロレスのあおり文句のように、大々的に報道するようになりました。

私の父もどうやらこのマスコミのあおりを真に受けてしまったというか、
『ジャンプ=真央 表現力=ヨナ』という固定観念をもってしまったようで、
その次のシーズン辺りから、
真央ちゃんもヨナちゃんのような表現力を持たなければダメだと
たびたびいうようになりました。

父にいわせると彼女の滑りは優雅なのだそうです。
特に、スパイラルをするときのにっこりと笑うところがいいのだとか。
逆に、父の浅田選手の評価は無表情。すべてが機械的。優雅さに欠ける。

父のいう表現力はすべて『表情』に集約されているようでした。
今シーズンに入っては、あの007の動きが妖艶だと言う始末。

ゥ──σ(・´ω・`;)──ン うちのバカ親父わ・・・

しょうがないですね、ただのスケベ親父と一緒。
世の男性もこんな感じなのでしょう。
ある種の分かりやすさを求めているんでしょうね。

確かにキム選手の表現力とは、その分かりやすさにあると思います。
特にジャッジアピールが上手いんです。
まあ、ぶっちゃけ『セックス・アピール』ですよねwww
これは逆に、浅田選手の弱点です。
浅田選手は内に内にこもる傾向がある。表現者というよりも、探求者なんですね。
自分のスケートを極めたいというか。
自分だけの表現を極めればそれでいいと思っている。
しかし、フィギュアは採点競技でもあるので、
ある種の大衆にむけてのアピールも必要なことは確か。
その点では、今回負けてしまったところがあるのかもしれない。

しかし、浅田選手は浅田選手にしかない表現力がある。
エルビス・ストイコも言っていますが、
彼女は『ただすべっているだけで美しい』んです。
あのスケーティングは天性のものです。
よくマスコミはキム選手のスピードのあるスケーティングをほめますが、
浅田選手は、まるで羽が付いているかのように軽やか。
ほとんど滑っているようには見えない。ふわっと浮いて舞っているように見える。
そして、そこからあふれるはかない情感。無垢さ。繊細さ。
あれはほとんど彼女にしか出せないものでしょう。
まさに『幽玄』という言葉がぴったりなのかもしれない。
繊細で、触れれば消えてしまいそうなほどはかなくて、
なのに、ひどく情緒がこもっていて、終わったあとも爽やかな余韻を残す。
まさに日本人が美としてきた『幽玄』がそこにある。
あれはキム選手にも出せない、独特のものだと思います。

残念ながら、そのような軽やかさよりもスピードを重視するいまの採点システムでは、
彼女のスケーティングは評価されなくなってしまいましたが。

これは、プルシェンコにもいえることです。
彼のスケーティングの魅力は、あのスピード。
エッジの使い方はやや浅いものの、
でも、氷にただ刃先を触れただけのようにしか見えない、
軽快なスケーティングは、他の選手ではできません。
ディープエッジを使うのが上手い選手はけっこう多くても、
ああいうスケーティングをする人はまずいない。
エッジのあの氷の乗せ方は、天性のものです。
そして、彼はその特性を生かして誰よりも早い、軽快なステップを生む。
『高速ステップ』と呼ばれる、あの宇宙人なステップはまさに彼ならでは。
だからといって、二人は決して単純に『個性的』というわけではない。
きちんと基礎を踏まえて上での個性となっている。
二人ともコンパルの基礎がしっかりしているんだと思います。

しかし、それでもにっくきかな新採点システム (-"-怒)
いまの採点システムでは、こういう個性的なスケーティングは評価されない。

でも、『幽玄』というものは見る側にもそれを見抜く能力が要求されます。
『玄人』好みといわれればそれまでですが
だけれども、こちらがちょっと注意深くなって見てみればすぐに分かります。

ところが、世のフツーの人は分からないんですね。
父のようにマスコミのいうことをすっかり信じてしまって、
なかなか彼女の表現力を認めようとしない。
今回の『鐘』だって浅田選手があそこまで気迫のあるスケートをしなければ、
ただの単調な、重く、暗い曲に終わってしまう。
しかし、そうならずに終わりに近づけば近づくほど
盛り上がっていくのは、彼女の表現力あってこそだと思います。
私は特に最後のスピンが入る前の、腕を高く上げて、天を仰ぐところがすごく好きです。
なんだか、神に向かって叫んでいるように見えて・・・すごくドラマティックに見える。
ああいう一種のカタストロフィをもたらすことができる人はそうそういないと思います。

そして、あの『鐘』をプルシェンコが滑ったらどうだろうと想像します。
どうしてそもそも彼はタラソワに振り付けを依頼しないのかな?
同じロシア人なのに。
もちろんかつての因縁を知らないわけではないですが、
ヤグの引退もあり、今ではタラソワも彼のことを評価しています。
プルのプログラムはプルグラムにならないと滑れないんだけれども、
でも、たまには別な人が作るプログラムを見てみたい。
タラソワのプログラムなんて、
ヤグディンとはまた違った雰囲気でいいんじゃないのかな~ 

しかたがないんじゃないか。 その2



いまフリーを見てました。
まずは浅田選手、銀メダル
おめでとう!(*´∀`)o∠☆゚+。*゚PAN!!★゚+。*゚ございます。




本当に去年のあの不審からよくここまで立ち直りました。
神様はあなたの努力を決して無駄にはしませんでしたよ。
初めてのオリンピックでの銀メダル。
まさに、プルシェンコと一緒ではないですか。
あなたはまだこれからです。
これからどんどん記録を作っていく人です。
今日の結果は不本意だったと思いますが、
めげずにこれからもスケートで私たちを楽しませてください。
大丈夫、あなたは「プルシェンコ」になれますよ。

キムヨナ選手もあの重圧の中よくがんばりました。
久しぶりに彼女の本気を見られてよかったと思います。
フリーの演技だけを見れば、本当に完敗だと思います。
いつもはフリーをノーミスで終われない彼女が、
ここまで根性を出して滑りきったことには素直に称えましょう。


まあ、いくつかいいたいことはあるんですが、

まず、どうして浅田選手は後半の振り付けを変えたのでしょうか?
イーグルからの2Aはすばらしいと思いますが、
こういうふうに直前に振り付けを変えると、
タイミングが狂ってジャンプにミスが出てしまうのに。
振り付けを変える前の2Aでも十分に加点は稼げていました。
これは明らかに浅田サイドの戦略ミス。
オリンピックというもっとも緊張する舞台で、
こういう振り付けを変えると、全体が狂ってしまうという
もっとも犯してはいけないミスです。
残念ですが、浅田陣営は今回戦略を誤った。

しかし、それ以上に浅田選手が後半のジャンプで狂ったのは、
キム選手のあの超超超爆age点のせいでしょう。
あの点数を見て萎えてしまったのです。
あの点数ですべてが分かってしまったのでしょう。
あれはまさに『最後通牒』でした。
「あなたがどんなにネ申演技をしても、キムは超えさせない」と。
あれを見たらさすがの浅田真央でもやる気をなくしてしまいますよ。
さすがのプルシェンコでもあの点数では勝てないでしょう。
キムヨナ選手にはぜひこれからも、どんどん点数を上げていって欲しい。
『質の高い』ジャンプをするそうですから、
こんどはすべて2Aにしたらいかがですか?

いやいや、話を戻して(^ω^;)
それでも、あのキムヨナのあとに3Aを2回成功させたことはすばらしいことだし、
何よりも、この経験はこれからのスケートにつながっていくと思います。

前にも書きましたが、やる前から決まっていたのです。
すでに1位の保証があれば、
キム選手はたいしたプレッシャーもなく余裕でスケートが滑れるじゃないですか。
ただそれだけですよ。
下の日記でも写真を載せましたが、
キム選手のあの笑みがすべてを物語っていると思います。

「いくらでもノーミス演技すれば? 
でも、金メダルは私って前から決まってるの」

*+☆+*――*+☆+*――*+☆+*

なんだかすべて気が抜けてしまいました。

思えば、プルのときも浅田選手のときも
おんなじ仕打ちですよね。
この二人の天才を潰すためにはどうすればいいか。
技術では到底二人にはかなわない。
天才はいつも予測を超えるもの。
ならどうすればいい?
競技をやる前から徐々にプレッシャーを与えて潰せばいい。
プルはSPで、浅田選手はFPで。
さすがにプルは4-3を飛ぶので露骨にはできませんでしたが、
でも、SPであれしか点差が付かなかったのは
明らかに精神的にプルにプレッシャーをかけるためにおこなったこと。
それを、浅田選手のときはフリーでやられた。


もうスケートを見たくないというのが正直な気持ちです。
少なくとも女子は見ません。
3月に世界選手権がありますけれども、
男子だけは見ようと思います。
プルが出場しますし、ライサは欠場するそうですから。
プルの4回目の優勝を見届けたいと思います。
世界選手権の優勝回数だけはヤグにならんでいませんからね。

ただ今回身にしみて感じたことは、
このシステムのおかしさと、
北米で開催するオリンピックの恐ろしさ、または、異常な作為・操作です。

田村明子さんの記事にもありましたが、
試合をやる前から、反プルシェンコ・キャンペーンを張って
ロシア人には勝たせるまいという雰囲気を作り出し、
世論を操作していくことは、あまりにも卑劣だと思います。

しかし、アングロ・サクソン系の人たちはこう考えるんだそうです、

勝つためには、どんなことでもしろと。
たとえルールを変えても、ずるをしてでも勝て! と。

私はそれほど愛国心はありませんが、
日本人としてそのような勝利はほしくありません。
そのような汚い手を使って勝つのなら、
「美しい敗北」を選びます。
そういう意味で、浅田選手は日本人であり、
立派な侍だったと思います。

プルシェンコも真央ちゃんもよくがんばった。
二人が闘ったのは、選手たちではない。
システムという巨大で、もっともおぞましい、不気味な怪物と
逃げることなく、正々堂々と闘ったのです。
辛くも負けてしまいましたが、二人の健闘だけは
私たちはたたえてあげましょう。

観戦していた皆さん、お疲れ様でした。

追記:
浅田選手のフリーはもしかして
ミスがあったほうがよかったのかもしれない。
もしノーミスで滑って、それでも点数が10点差となってしまったら、
ジャッジの評価が、今後キム>浅田と固定してしまい、
これ以降の大会で、どんなに浅田選手がノーミス演技をしても
キム選手を超えることができなくなってしまうと思うから。

もしかしたらフィギュアの神様はそのことをわかって、
あえて、今シーズン一度もミスのなかった
3Tのすっぽぬけをするように仕向けたのかも。
逆に、ミスをしたことによって
浅田選手はまだキム選手に逆転できる可能性を残したともいえるわけで・・・
そういうことを考えたら、彼女のミスは、
まさに『天からの采配』だったのかも。


いろいろと細かなところ~女子SP編


またまた更新~~(@´゚艸`)ウフウフ

まだ熱があるんですが、なぜかあんまり眠れないんで。



二人のスピン、スパイラルのポジションの比較。
某大型掲示板からもって来ました。
このように写真を見れば一目瞭然なわけです。
いつも思っていることなんですが、
キム選手って本当にからだ硬いですよね。
特に上写真の二番目のスパイラル。
ひざがかくんと折れ曲がってるのは・・・www

現地入りしたときから気になってるんですが、
キム選手、明らかに太ってきてますよね。
っていうか、たくましくなってきたというか。
スケーターというよりも
プロレスラーみたいに見えるのは私だけでしょうか

*+☆+*――*+☆+*――*+☆+*

キム選手の3フリップ 



明らかな回転不足にもかかわらず、加点が2点てふざけんな (-"-怒)

*+☆+*――*+☆+*――*+☆+*

こちらも某大型掲示板に載っていたコピペ

2010年2月24日に行われた女子ショートプログラムの採点の結果
今大会でさえ何人も決めたセカンド3tに加点2点。
真央の五輪女子sp初で、女子のトリプルジャンプ種類を6種揃えた
伝説の選手伊藤みどり以来18年五輪で見られなかった
3aを決めた真央のトリプルアクセルに0.6の加点。
以下が実際の採点表
http://www.vancouver2010.com/ns/pdf/FSW010201C77B.pdf
これ見ると9番目のジャッジに注目
ヨナ GOE加点>13 PCS>43.75×0.8=35 合計48
マオ GEO加点>8 PCS>37.5×0.8=30 合計38
差が10点。他ジャッジだと
1番7点2番3.6点3番2.4点4番1.8点5番3.2点6番0.4点7番3.6点8番0.8点
抽選で1番と9番が残ったら8.5点も点数が違う。

今回男子の銀メダリストプルシェンコのSPに男子内で
21~22位台を点けたのも2人いました。 (実際は一位)
この2人が他のジャッジの平均点を出していれば、プルが優勝でした。
ジャッジは一カ国から一人選ばれます。つまり不正をした国が2カ国あるという事です。
注:(キムはカナダ人のコーチを付け、カナダで暮らし、カナダで練習しています)

ISUの副会長は韓国系カナダ人で採点を取り締まっています。
李ジヒ大韓スケート競技連盟フィギュア副会長は、
「多くの審判が新しい採点方式以前のやり方で減点したため、高い点数が出なかった。
しかし、金妍兒の卓越な演技を見た後、加算点を十分に活用しようという雰囲気が作られた。
それも金妍兒に限ってのことだ」と話した。

キム限定の積極加点の解り易い例:
今回の五輪での二人のスパイラルのポジション。
(最後の写真は真央は手を使ってない、
キムは手を使ってる普通はこれだけで
0.5~1点は違ってくる) これで点数は同じ5.4点
平凡な技の出来栄えでもキム限定の積極加点のお陰で
その技のスペシャリストと同等以上の
点数がジャンプ・スパイラル・スピン・ステップで容易くつく。


*+☆+*――*+☆+*――*+☆+*

こんな馬鹿らしい採点をしてるので、タラソワの怒りが爆発
なんでもインタヴュアーに向かって
「shit!!」と叫んだらしい。
プルや高橋選手よりも高いPCS
もうあきれ返るしかありません。

しかも、韓国人のジャッジはヨナに不利にならないよう
監視するとか馬鹿なことをぬかしているし。


☆゚+。☆。+゚☆゚+。☆。+゚☆

番外編




浅田選手のショートのあと、鼻で笑うキム選手。
やっぱプロレスラーだ。
どんどんからだがごつくなっていくなwww

いろいろと細かなこと~プルシェンコ編~



すいません。
なんだか、こんな季節に風邪を引いてしまいました。
ただいま38度の高熱…
ゥ──σ(・´ω・`;)──ン プルのことで興奮しすぎたのだろうか。
真央ちゃんの厄を代わりに被ったということで
今日のフリーでの彼女の奇跡を信じましょう。

*+☆+*――*+☆+*――*+☆+*

いくつかこまごまと。
まずはじめに。 


すごくいい記事です。
私の感じたこと、言いたいことがすべて書かれております。


-プルシェンコは、完全に北米勢にはめられたのだ
という印象だけは、私はどうしても拭うことができなかった。


どうしてこんなことができるのでしょうか。
いったいプルはアメリカに何をしたというのでしょうか?
ただバンクーバーでスケートを滑っただけではないですか。


それにしても、ローリー・ニコルってなんか温和そうな人に見えたけど、
けっこう腹黒というか、なんかISUのジャッジとの隠密なつながりがあるんだなと。
だから、ローリーの振り付けではなくなった浅田選手に
カート・ブラウニングをはじめとするカナダの解説者は
手のひらを返したように、彼女を批判するようになったのかなと。


あと、こちらの記事

前にも少し書きましたが、
プルシェンコに意図的に点数を低くしたジャッジが二人もいたそうです。
そのジャッジ二人はPちゃんを爆ageしたジャッジ・・・
もう何がなんだか・・・・


*+☆+*――*+☆+*――*+☆+*


例のプルの抗議活動

某大型掲示板から転載しました。

『PLUSHENKOが私たちのサポートを必要としています』というタイトル

EVGENI IS ASKING FOR OUR SUPPORT!
Russian press announces this morning that Plushenko will file a protest with the International Olympic Committee to challenge the silver medal he has been awarded. Headline: "Plushenko: I intend to fight for my gold medal." The article writes: "Since Russia's Olympic Council has refused to file a protest on behalf of Evgeni Plushenko, he has decided to do so himself. He says, 'The results should have been challenged after the Short Program, when everyone saw that three judges were placing me in the 21-22nd place with their scores." Plushenko said that he intends to write a letter in which he will challenge the outcome of the competition. 'I want to fight for that medal that I have earned, that I have fought for, and suffered injuries for,' explained his position Plushenko. He also said that for the scores to be reconsidered he needs everyone's support. 'A lone man on the battlefield is not a warrior,' Plushenko said."

要約

ロシアのプレスが今朝プルシェンコの声明を発表しました。
プルシェンコはオリンピックコミティに対し
今回のジャッジのあり方、結果についてチャレンジする方針を決めました。

「私は怪我を乗り越えて臨んだのだ。
私が得るべきであったゴールドメダル獲得に戦うつもりだ。
3人のジャッジが私のショートプログラムの演技が
21位から22位という採点をした。私はこの結果に異議がある。」

しかしプルシェンコはロシアのOlympic Councilのサポートを
得る事ができないため彼個人でこの仕事を成し遂げようとしています。

「スコアはもう一度見直されるべきだ。私はみんなのサポートを必要としている」


私自身どうやって彼をサポートできるのかわからなかったのですが
RUSSIAのOLYMPIC関係にメールし、
プルシェンコを支持する要請願をだすことが第一番目だそうです。

メールのあて先は

1、ロシア、フィギュアスケーティングフェデレーション oxrlat@dol.ru
2、ロシアガバメント宛 siharulidze@duma.gov.ru
3、inform@olympic.ru
4、インターナショナルフェデレーション info@isu.ch
5、-Vladimir Putin, President of Russia & supporter of Plushenko, go to website http://eng.kremlin.ru/articles/send_letter_Eng1a.shtml

余分かもしれませんが下記のような内容でよいと思います。
(これも同ページから抜粋させていただきました)

I am writing to voice my support of Evgeni Plushenko. I hope that Russia will fully support him and ask for an investigation into this controversy. I believe he should have received the gold medal for his Olympic performance.

要約、
ロシアがプルシェンコを全面的にサポートし、
調査願(オリンピックの採点に対する)を(オリンピックコミティに)
要請してくれる事を願います。
わたしは彼のオリンピックでのパフォーマンスが
ゴールドメダルを獲得すべきものだったと信じます。

プルシェンコと思いを同じにされる方は参加して下さい。
また『SUPPORT PLUSHENKO』というタイトルで
ネット上で署名運動も行われています。
署名のサイトはこちら→http://russport.3nx.ru/viewtopic.php?t=14

署名の仕方:
ページの『VIOCES IN EVGENI PLUSHENKO SUPPORT』の下に
OTBeTNTbという横長の丸っぽいアイコンありますからそれをクリックしてください。
新しいウィンドウが開きますので最初に名前と名字、
次の欄"TeMa"となっているところには
テーマ(この場合は SUPPORT PLUSHENKOでいいと思います)、
そしてその下の大きなボックスに

Your Name, Surname 名前そして名字の順
Your Country     国
Your City      市
Your Profession   職業(学生の方はSTUDENTとしてください)

最後に下にある2つのボックスのうち
右側のOTnpaBNTbをクリックしていただいたら署名完了です。

*+☆+*――*+☆+*――*+☆+*

もし署名したい方があればどうぞ。
私はまだ検討中です。
私個人はプルの抗議は反対しません。

しかし、ある方にレスをしたように、
プル個人がいろいろいっても、何も変わるわけではないと思います。
逆に、なにいちゃもんつけているんだで終わってしまう気が
そのことによって、プルの名誉が傷つけられないか心配です。
敵はあの糞ジャッジどもです。
プルの輝かしい功績に泥を塗り、彼の才能を否定した連中です。
彼らが自分たちの利権を守るためなら、
プルを貶めることぐらい痛くも痒くもないでしょう。

私はもしプルが本気で抗議をするのなら、
たくさんのスケート関係者で、有力者の賛同を得るべきだと思います。
ストイコをはじめとする元スケーターたちを味方につけるとか、
ISUのなかにいまの採点システムに不満を持っている人たちとか。
アメリカでスポーツ訴訟を専門とする弁護士を雇うとか。

とにかく、こういうことには『戦略』が必要だと思います。
相手も馬鹿ではないし、また、権力を持っている分不利です。
ならば、こちらも説得力のある人間をたくさん証人としてそろえて、
立ち向かっていかなければなりません。
プルサイドももっと賢く立ち回らなければ、
逆に、足元をすくわれてしまいかねません。

ただ、奥さんのヤナさんは
「プルが金メダルを欲しくてこのような抗議をしているわけではない」
とはっきりとおっしゃっているので、かなりほっとしています。

たとえ銀メダルに終わっても、
プルが本当の金メダリストであることはよく分かってますから。


*+☆+*――*+☆+*――*+☆+*

私は今回の五輪は一生忘れないし、糞ジャッジどもを一生許しません。
プルシェンコだけは、手をかけないと信じていました。
この偉大な英雄には、いくらなんでも連中は手を出さないだろうと。
しかし、彼らは、私の馬鹿な期待をあっさりと乗り越え、彼を潰した。
しかも、オリンピックというみんなが注目する大舞台で、
もっとも卑劣な形で、彼を侮辱し、貶めた。
自分たちの馬鹿なプライドのために。
この世界一、いや、もうこれから50年先は現れないであろう天才を。

いまもフリーの演技をまともに見れません。
結果が表示されたときのプルのあの表情…
もうあれを見るだけで泣けてきて泣けてきてしょうがないんです。

佐野稔さんは「4年間競技にまったく出ていなかった人が、
みんな現行のルールに従ってやっているのに、
いまさらいろいろいうのはおかしい」といいましたが、

日本人がこうも理不尽な目に合わされているルールに対して、
それでも、ルールはルールだから従えというのでしょうか。
今の採点システムが明らかに日本人選手つぶし、
大技もち潰しであることは明確なのに。
正しくないルール、運用方法が間違っているルールに対して、
どうして大声で間違っているといえないのか。
そして、間違っているといって何が悪いのか。
佐野さんは、日本人がこれ以上つらい眼にあってもいいと
本気で思っているんでしょうか。
安藤選手をつぶし
中野選手をつぶし、
そして、浅田選手さえもつぶそうとしたルールを。
プルだって何も4年間だらだら過ごしていたわけではありませんよ。
いつも競技に復帰したいと思っていたし、
でも、予想以上に怪我の調子が思わしくなくて
OPシーズン前になったというだけです。

それよりも、4年間まったく競技に復帰していなかった人に、
あっさりと負けてしまういまの選手たちのほうが
よっぽど情けないのでは?

馬鹿なパトリック・チャンは
プルのことを「he is old」といっていましたが、
その前に、ちゃんと3A二つそろえろっつーの。
ジャンプもろくすっぽ飛べない三流スケーターに
そんなこといわれたくありません。
また、いう資格だってないでしょう?


でも、プル本人は元気そうです。


ロシアのTV局なんでしょうか。
インタヴューに応じております。


某大型掲示板から約の要約を借りてきました。

要約:
男子フィギュアは現在、バレーのバレーになってる。
4回転に挑戦したのは、5人だけしかいなかった。
少し前までは、全員挑んだのに。

順位も、別の順位もあり得た。
たとえば、高橋大輔が二位で、ランビエールが三位であるべきだった。
ライザチェックやチャンは4回転は必要ないと言っている。
それでは、進歩がない。
4回転ができるかどうかは別の話だが、挑戦するべきものだ。
4回転を必要と考え、挑んだものもいた。
高橋やランビエール、日本の織田、小塚だ。
だが、現行ルールでは彼らは負けてしまう。

まあいいよ、別にスキャンダルを起こそうってわけじゃないし。
とにかく、ありがとうね。


バレーのバレーってすごい皮肉・・・(´-∀-`;)

でも、日本人選手のことほめてくれていますね。
ありがとう、プル。
本当にあなたはすばらしい人です。

そして、高橋、織田、小塚両選手には
プルの志をついでいって欲しいですね。


2010/02/25

天才は結局勝ち続ける。




SPの結果を見て驚く真央ちゃん。
ジャンナ先生の彼女の太ももに手を添えているところに
真央ちゃんへの愛情を強く感じます

今日はあまり眠れない気分なのでwww

かなり遅いですが日記更新を。


えらく素直だなと思いました。

浅田選手のSPを終わったあと、一瞬キムヨナが映ったのですが、
そのとき『やるじゃん、マオ』と鼻で笑ってたんですよねwww
すげー神経だな~と思いました。

でも、やっぱり内心は動揺していたんですね。

彼女のSPは浅田選手以上に慎重でした。
あの爆age高得点に惑わされがちで、
彼女の本当の演技が見えなくなってしますが、
冷静に分析すると、いくつか細かいミスがありました。
いつもよりも生彩を欠いていたし、ジャンプもキレがなかった。
明らかに3-3は回転不足だったし、
フリップも正直危なかった。
たぶん気づいた人はあまりいないようですが、
ステップでつんのめったんですよね、一瞬。
たぶん本人もヒヤッとしたと思います。
ですが、精神力でなんとか乗り切ったという感じでした。

点数を出ても喜びもしなかったのは、
たぶんあの点数が出ることを『知っていた』からだと・・・。
こんな出来レース、見てるこっちのほうがしんどいです。
プルのことがあってもうあきらめていますけれども、
ここまで露骨にやられたらもう笑うしか・・・

ただし、想定外のことがひとつだけ起こりました。
浅田選手があそこまでの高得点を出したこと。
3Aを成功させたこと。
内心自爆を望んでいたのに。

何度も述べてますが、ここが『穴』です。

これでフリーはできるだけノーミスで滑りきらなくてはならなくなった。
キム選手はフリーをノーミスで滑りきったことはない。
これはかなりのプレッシャーです。

彼女、実はフリップをSP・FPの両方でそろえたことがないのです。
SPで成功したら必ずFPですっぽ抜かす。
さらに残念なことには、
仮にフリップを成功させても、今度は後半のサルコウまでは体力が持たない。
だから、サルコウも抜ける。
必ずどちらか一方はジャンプが抜ける。
これはほぼお約束です。
たぶん明日のフリーもそうなると思います。
昨日のSPが成功したので、フリップはだめだと思います。
(でも、五輪は異常にエラーを取られていないので、
飛べば認定するかもしれませんが)。

5点差は彼女にとっては悪夢です。
なぜなら、浅田選手は10点差でも逆転したことがあるのですから。
キム陣営の戦略は浅田選手との10点近くの差だったはず。
それが、約5点差にしかならなかったのは、大きな誤算だったかと思います。
それが素直に出たのが、この感想だったと思います。
一昨日の公式練習からしきりに浅田選手を気にしてました。
たぶん彼女が予想以上に好調なので、内心ではかなり動揺していると思います。
事前の金メダルの何らかの保障があるので、かろうじて己を保っているという感じ。
少なくとも、彼女の浅田選手への態度はそう見えました。

まあ、でも、ジャッジは彼女を勝たせる気満々なので、
たぶん135~140点は出るんじゃないでしょうかね。
ですが、仮にこの高得点が出て浅田選手がノーミスをしたら?
それでも、浅田選手には141点あげて銀メダルにするでしょうね。
理由は簡単ですよ、プルシェンコと一緒です。
高難度の技を決めても、技のできばえ(GOE)を低くくすればいい。それだけです。
昨日のSPのGOEを見ても
たぶん浅田選手の3Aにはほとんど加点は付かないでしょう。
去年の世界選手権と一緒。ショートの貯金で逃げ切り。

キム選手、金メダルおめでとう!(*´∀`)o∠☆゚+。*゚PAN!!★゚+。*゚ございます


だけれども、なんだろうな。

キムヨナを見ていると、
どうしても『ガラスの仮面』の姫川亜弓を思い出してしまうんだ。
姫川亜弓と北島マヤが、全日本演劇大会だっけ? 
あれに出場したときのストーリーを。
確か姫川陣営は、演出家の小野寺の策略で北島陣営をつぶそうと妨害をする。
その結果、マヤ以外の俳優はみな出場できなくなるのだが、
しかし、マヤはひとりで演技をすると、一人芝居を敢行。
見事演じきり、観客投票で1位を取る。
ところが、審査員たちの審査の途中小野寺が異議を申し立て、
審査結果が覆り、姫川陣営が1位を取り、北島マヤは失格となる。
だが、姫川亜弓の顔はどこか晴れない。
かたや、北島マヤは号泣するも多くの観客に励まされることになる。
このストーリーといまのキムヨナがなぜか重なってしょうがないんです。

昨日のSPで、観戦していらした現地の人が
浅田真央の演技にはスタオベの嵐だったのに、
キムヨナの演技は拍手もまばらで歓声もあまり聞かれなかったそうです。
ジャッジは恣意的ですが、観衆は正直で、素直です。
いいと思ったものには惜しみない賞賛を送る。
この声援を聞いて彼女はどう思ったでしょうか。

テレビでアナウンサーの刈屋さんが
キムヨナが『浅田真央はもう一人の私』といっていたそうです。
私は、彼女がそのように考えている限り、
キムヨナに真の勝利は訪れることはないなと思いました。
彼女はものすごいコンプレックスを浅田真央に感じているんでしょうね。
正直、浅田真央になりたくてしょうがない。
浅田真央が持っているものを手に入れたくてしょうがない。
しかし、どんなに浅田真央が持っているものを手に入れても
いちばん欲しい『才能』は手に入らない。

天才に勝つためには、何度も述べましたが、死力を尽くすことが必要です。
ヤグディンがプルシェンコに勝てたのは、まさに死力を尽くしたことと、
どうしても消えることのなかった自分の中のプルシェンコという影を
己の実力で消し去ったということなんです。
ヤグディンはソルトレークのとき、別に大技を入れなくても勝てたのに
タラソワの制止も聞かず、FPで4-3-2を飛び、見事成功させました。
4-3-2はプルシェンコそのものです。
このコンビネーションは当時は彼しかできなかったからです。
しかし、ヤグディンはプルシェンコと同じ技を成功させることによって、
プルシェンコと並び、打ち勝ったのです。
実力は実力で勝つ。
だからこそ、ヤグディンは天才をも一目置く選手だし、
プルシェンコの永遠のライバルなのです。

キムヨナも3Aをあきらめず、やりつづけるべきだったのに。
たとえ腰が打ち砕かれても、3Aを習得すべきでした。
そうすれば、たとえ後の競技人生が失われたとしても、
『真の勝利』を手に入れることができれば、
浅田真央の影から抜け出すことができたのに。
しかし、彼女は結局、楽な道を選んだ。
確かにいまのシステムにのっかかることによって
彼女は最強の選手になりはしましたが、
真の意味では、浅田真央の影から逃れたわけではない。
逆に、逃れられなかったことにより、永遠の苦しみをもたらすと思います。

これから先、彼女は金メダルを持っていても、
一生自分を正当化し続けなければならない。
確かに技はマオのほうが上だったかもしれないけれども、
点数は自分が上だっだといいきかせながら。
そして、それがどんなに虚しいことか若い彼女にはまだ分からない。

さらに点数というはかなく脆い記録は
採点制度の改正でいくらでも変わる。
もしキムヨナの最高点を破る選手が
おそらくそう遠くはない日に現るかもしれない
(特に白人の有力な選手が現れたときは)
そのとき、彼女はどうなるのでしょうか。

もしかしたらもうすでに分かっているのかもしれない。
たとえ表面上勝利しても、
周りの現役の選手たちは誰も彼女を賞賛しない。
EX練習のあのハブられっぷりは
まさにそれを象徴しているような・・・。
選手も馬鹿ではないですから、誰が本当にすごいか分かります。


映画『アマデウス』でサリエリが
「自分がどんなにたくさんの栄誉やメダルをもらっても、
(生前栄誉を与えられることなく亡くなった)モーツアルトの音楽は廃れることなく、
ますます有名となり、逆に自分の音楽は誰にも聞かれることなく、
歴史から忘れ去られていく。それは『拷問』だ」
と嘆くシーンがあります。

天才はどんなに打ちのめされ、否定されても、
観衆はその存在を見抜き、見出され、
永遠に失われることなく、
逆に、さらに輝きを増し続けるのです。
死後200年以上経ってもいまだに聞き続けられているモーツアルトのように。
たとえOPの金メダルがキムヨナであっても、
3AをSPでいちばん最初に入れた浅田真央の名前を世界は忘れないでしょう。
ライサチェックの名前は忘れられても、
世界で最初に4-3-3を成功させた人の名前は覚えているでしょう。

たとえどんなに高い点数をもらっても、天才の功績には及ばない。

『凡人が天才に勝つシステム』
そのシステムが引き起こす本当の悲劇を誰も知らない。

2010/02/24

しかたがないんじゃないか。


下はキム・ヨナと浅田真央のプロトコル


いろいろといわれてますけど、
男子のことがあるので、私の中では想定の範囲内です。
約5点差なので、逆転は不可能ではないと思います。

おそらくジャッジとしては、キムには勝たせたい。
しかし、浅田真央にもチャンスは与える。
キムはFPがデフォだから、できるだけSPで点数を与えて、
FPをやらせて、合計点の僅差でどちらか上のほうを金にする。
男子のFPを考えると、たぶんそうだと思います。
キム陣営だとて浅田真央が5点差まで
詰め寄るとは考えてなかったと思います。

下にも書きましたが、
もともと浅田真央が3Aを成功させることを
前提に考えていない様に感じます。
約10点差。
これが、彼らが考えていたシナリオです。
SPで圧倒的差をつけて、
FPではジャンプをミスっても余裕で金メダル。

またジャッジも同じことを考えていたと思います。
浅田真央がここまでやるとは思わなかった。
だから、しかたがなく点をあげた。
キム・ヨナの点数が高くなったのは、
浅田真央に高い点数をあげざるを得なくなったので、
調整のためにキムのほうを高くしてしまっただけです。

去年の世界選手権を想定していたんでしょうが・・・
SP逃げ切りが上手くいくかどうか・・・

でも、上手くいくと思います。
ジャッジの意思は『キム・ヨナを勝たせること』です。
意地でもそうすると思います。
システムは自分の誤りを認めたくないものです。
キムを勝たせなければ、
ジャッジは自分たちの誤りを認めることになります。
彼女は新採点システムの『象徴』。
彼女を勝たせることで、
自分たちの正当性をさらに強めようとするでしょう。

そこに浅田真央がどこまで食い込めるか。
プルシェンコは辛くも負けましたが、
浅田真央には彼にはない武器がある。
それは、『若さ』。
いまだ伸び盛りの彼女がどこまでやるのか。
昨日のNHK特集でも言っていましたが、
高難度のジャンプと高い芸術性が両立できたとき、
結果は決まると思います。

でも、まあ、今日はショックも何もなかったな。
やはり結果はやる前から決まっていた。それだけです。


ブライアン・オーサーの悪夢~彼がそれでも負けるわけ



まずはじめに。
ぐーるどさん、情報ありがとうございます。

私も某掲示板を見て知りました。

http://www.news24.jp/articles/2010/02/23/10154073.html

しかし、あまり賛同はしません。
もちろんプルの気持ちも分かるし、抗議自体は悪くはないと思いますけど、
だけれども、もしそれで金メダルとかいうことになれば、
2002年のソルトレークの再現になってしまうのでは?、と危惧します。
彼にはサレペルのようにはなってもらいたくないです。
いくら理不尽な結果でも、結果は結果です。
それを受け入れなければ、真の英雄とはいえないと思います。
彼には、いつまでも誇り高い人であって欲しいです。
私はいまの、あまりにも理不尽すぎる結果も含めて、彼が好きなんです。

だからといって、いまの採点システムが正常に機能しているとはいいがたいです。
彼のような影響力の強い人がそのような発言をすることで
少しでも改善につながるのであれば応援しますが。
事実彼はフィギュアのルールを変えたことがある人ですし。

ちなみにジャッジの二人がプルに異常に低い採点をつけていたのは、
記事が出る前から、こちらのサイトで知っていました。

本当にひどいですよね。でも、北米開催のOPではどうしようもないと思います。
NYtimesでも、『興行的な理由で、北米出身のチャンピオンが必要だった』
とはっきりと書いているほどですから。
もともとプルに勝たせる気などなかったのです。


☆゚+。☆。+゚☆゚+。☆。+゚☆

今日2つの番組を見ました。
ひとつは、報道ステーション、もうひとつはNHK特集。
後者の番組は今見ているというか、見ながら書いているんですが。

報道ステーションの特集はひじょうに興味深く見ました。
特にブライアン・オーサーのインタヴューがよかった。

いまのオーサーはまさにキム・ヨナを使って
22年前の雪辱を果たそうとしているんですね。
自らの敗因を、プログラムの変更にあるとして、
キム・ヨナにはプログラムの変更はさせないというのは
ある意味賢明かと思います。
この理不尽な採点システムの下では、
無謀な試みは逆に足元をすくわれかねないですから。

しかし、一方で、オーサーはなぜ22年前にボイタノに
勝てなかったのかもよく分かりました。
おそらく今回でも勝てないでしょう。
なぜなら、オーサーはある可能性をまったく考慮していないからです。
オーサーは22年前のOPで銀メダルに終わったのは、
トリプルアクセルをフリップに変えて、トリプルアクセルを1回にしたからだといいました。
しかし、仮にプログラムを変更しなかったとして、
オーサーはボイタノに勝つことができたでしょうか。
ここに彼の隙があると思います。

私は、オーサーがプログラムを変更しなくてもボイタノには勝てなかったと思います。
どうしてか? それはボイタノが天才だったからです。

天才がなぜすごいのか。
それはまったく『読めない』からです。
いつどんな風に化けるのかまったく予測不可能なんです。
オーサーはボイタノの天才性にまったく気づけなかった。
いや、気づいていたのかもしれないですが、
心のなかで認めたくはなかったのでしょう。

田村明子さんの『氷上の光と影』という本に、
ボイタノがいかにジャンプの天才だったかが述べらています。

-ボイタノは自分がジャンプを飛ぶために、
フェンスからどのくらいの距離が必要か正確にはかることができるのに驚いた。

ボイタノはまるで数学のように正確に頭の中で
シュミレーションすることができるという稀有な才能の持ち主だったのです。

おそらくボイタノはオーサーのトリプルアクセルを見て、
自分もプログラムに2回入れられるだろうと思ったのでしょう。

天才というのはえてしてそのようなものです。
プルシェンコも浅田真央もおそろしいほど
簡単に難しいことをやってのけてしまう。
それはなぜでしょうか。
天才にはつねに『万能感』があるからです。
もちろん『万能感』は誰にでもあります。特に子供の頃はみな誰しも持っているものです。
しかし、大人になるにつれ自分の限界が分かるようになり、万能感が薄れていく。
ですが、天才たちは大人になってもこの万能感を持ち続けている。
そして、ここが何よりも重要なのですが、
天才が真にその力を発揮するのは、
その万能感が実際に達成されてしまうところなんです。

プルシェンコも浅田真央も、常人には及びもつかないことを考えます。
プルシェンコは、OPの前しきりに3A-4Tを練習していました。
個人的には、この馬鹿みたいな試みがプルを
金メダルから遠ざけた原因のひとつだと思ってますが、
一方で、あともう一歩というところで成功しそうだったことも確かです。
彼は「できてしまう」んです。

また、浅田真央も同様です。
3Aでは飽き足らず、3A-2Tをやろうとする。
しかも、3A三回をプログラムに入れさえする。
今の採点制度ではそのような無謀な試みなど
却ってリスクにしかならないのに、彼女は果敢に挑戦する。
なぜなのか、やはり彼女が「天才」だからゆえです。

天才だからこそ、無謀な試みに挑戦してゆくし、
またそのような挑戦が許されるのです。
そして、その挑戦は誰にもできるものではない。
おそらくプルシェンコだけでしょう、そのようなコンビネーションを考え付くのは。

さらに、天才は時代を変える力を持っている。
4回転時ジャンプそのものを開発し、発展させたのは、
ストイコやブラウニングといった先人たちですが、
男子なら誰でも4回転を飛ばなくてはと思わせるようになったのは、
ほかならぬプルシェンコです。
プルシェンコが4回転を簡単に決めてしまうために、
他の選手たちがどうしたらプルシェンコに勝てるのかと
日々切磋琢磨したために、「4回転時代」が生まれたのです。

また、浅田真央も同様です。
彼女がトリプルアクセルを跳ぶようになった結果、
ロシアのジュニアの女の子たちが浅田真央を目指して
3Aを必死になって習得しようとしている。
これもすべてソチ五輪で、彼女を負かすためです。

しかし、キム・ヨナの3-3はどうでしょうか。
みなキム・ヨナを負かすために、3-3をやろうとしているでしょうか?
誰もしていませんよね? それどころか、リスクを恐れて難度を落とす始末。
どうしてなのでしょう? もちろんいまの採点システムが大きいと思いますが、
それだけではないと思います。
残念ながら、キム・ヨナに時代を動かす力はないのです。

ボイタノは天才ゆえに考えただけです。
オーサーができるなら自分もできる、と。
オーサーが自らの栄光に酔いしれているときに、
ボイタノは影で必死になって練習をしたのでしょう。
そして、OP本番でとうとうできてしまったのです。
まさに予測不可能なことが起きたんです。

オーサーもまさかボイタノがやってのけるとは思っていなかったでしょう。
天才に対する理解不足ゆえに起こった悲劇です。

そして、オーサーは、残念ながらその悲劇を繰り返そうとしている。
キム・ヨナのプログラムは変更しないといった。
プログラムどおりにやれば点数は付いてくると。
しかし、オーサーは浅田真央の3Aが失敗するという前提の上でしか語っていない。
彼女がプログラムを完璧に滑ったとき
どうなるのかまったく計算に入れていないのです。
もし浅田選手がSPをノーミスで滑り終えたときどうするのか、
そのフォローはまったくできていません。
たぶんキム・ヨナもそのようなことを考えていない。
これは逆にとても恐ろしいことではないか。

今日の公開練習でキム選手がしきりに浅田選手を気にする場面が見られました。
おそらく相当なプレッシャーがかかっているでしょう。
まさか彼女がここまでジャンプを戻してきているとは思わなかったでしょうから。

キム陣営の計算されつくした計画に生じた思わぬ「穴」。
これが勝敗を分けるかもしれない。

天才というのは、いつも予測不可能なものなのです。
予測不可能で、なおかつ、不思議で、そして、信じられないほどの力を発揮し、
また誰よりも魅力的だから、われわれはいつの時代も「天才」を求めるのだと思います。

ただ、私は今回の女子が正常なジャッジが下されるとは思っていません。
男子のことで思い知らされましたが、
もうすでに「金メダリスト」は決まっています。
どんなにネ申演技をしてもよほどのことがない限り、
結果が覆ることはないでしょう。

いまの採点システムは天野氏が言うとおり、
『努力をすれば凡人が天才に勝つシステム』なのです。

ですが、浅田選手や安藤・鈴木両選手にはがんばってもらいたいです。
たとえジャッジの判定が理不尽なものだったとしても、
誰の演技が本当にすばらしかったか、
人々の記憶はそう簡単に変えられるものではないから。


最後に。
私が全日本選手権の『鐘』を見た感想をここに上げて終わりにしたいと思います。




浅田選手は何かを『つかんだ』気がする。

なぜタラソワがこのプログラムを彼女に与えたのか。
まだ円熟の域にも達していない彼女に。
本来ならばクワンが滑るはずだったプログラムを。

いまならとてもよく分かる気がします。
このプログラムは魂の根源に触れることのできる者しか
滑ることができないからです。

しかし、その彼女でさえも最初の頃は苦悩した。
滑りこなせず、苦い挫折を味わった。
だけれども、その挫折はこのプログラムを完成させるためには
絶対に不可欠な過程だったと今では思います。

タラソワの『乗り越えろ』というのはまさにそういう意味だったと。

そして、ラフマニノフ自身もさまざまな挫折や苦しみを味わった人でした。
いまでは浅田選手とラフマニノフが重なって見えます。
芸術というものは、苦悩なくしては成り立たない。
二人の天才がまさに出会った最高のプログラムです。

バンクーバー、がんばってください。

2010/02/22

何もいうことはない。。。。



男子シングルですべて力尽きてしまった感じで・・・。
女子については、何もいうことはないって感じです。
もうすべてが決まっているのでしょうから。
メダルが誰が取るのか、そして、その色はなんなのかも。

だけれども、三人の日本人選手たちにはがんばって欲しいです。
悔いの残らないよう、自分を信じて、
自分の力を最大限に発揮して欲しい。

いまの私にはもうそれだけしかいえません。

ただ、たとえメダルの色が何色であっても、
三人の選手たちにはよくやったといってあげたいです。





山田満知子先生と浅田選手との深い絆を感じさせる動画




*+☆+*――*+☆+*――*+☆+**+
それにしても、いったいいつまでこんなことが続くのでしょうか。

ニューズウィーク日本版にこのような記事が載っていました。


有識者にまでこのようなことを書かれて、ISUは恥ずかしくないんでしょうか。


プルシェンコの銀メダルは、母国ロシアはもちろん、
さまざまな方面から批判が上がっているようですね。
特に、長野五輪銀メダリストのエルヴィス・ストイコは、
鼻息を荒くして、今回の結果を批判しています。


タイトルが過激ですよね。でも、その通りだと思います。

最後に。
面白いコラムを発見しました。
青島ひろのさんのですが。
正直、あまり、この人のコラムは好きではないのですが、
このコラムは興味深く拝読しました。

追記:昨日ニコ動で見て思ったこと

キム・ヨナってケツでけぇなぁ

すいません…

2010/02/21

《4回転論争》-プルシェンコに対する誤解


悪夢の男子シングルからもうすでに2日がたっているのに、
心のなかのもやもやがまったく晴れません。

プルの演技を見るのがつらくてつらくて
特にフリーは本当に演技をする前から涙が出てしまいます。
いちおう録画をしてあるんですが、一度も見ていません。
あまりにもつらすぎて。

しかし、それよりもつらいのは、
プルシェンコの発言に対する誤解です。
mixiなんかの日記を見てると、そのほとんどが「いいわけするな」とか
「負け犬の遠吠え」とか、そういうネガティブな意見ばかり。
なんだかプルが自分の結果を受け入れず、
「本当は俺のほうが強いのに、ジャッジが悪いから負けたんだ」と思われて・・・。

プルファンではなく、今回のプルの発言がよくないと感じている人は
ぜひ当ブログを読んでいただきたいです。
プルはきちんと「自分の結果を受け入れる」といっています。
だけれども、「いまの採点システムは受け入れられない」と異議を唱えているだけです。

プルシェンコは高い技術を持っています。
無難にプログラムをこなそうと思えば、こなすこともできました。
しかし、彼はそれをあえて拒否し、難度の高いプログラムにしただけです。
よく4回転を二回入れればよかったのに、という意見がありますが、
ライサの4回転のない、3-3の構成が
4回転2回を入れてようやく釣り合うものなのでしょうか?
それほどプルシェンコのスケート技術は低く、
逆に、ライサの技術は高いとでも?
プルはスピンやステップが劣っているから、
もっとジャンプを入れて点数を稼げばいいと。
そのためには、無難な構成で滑るライサよりも
もっと難しいプログラムで滑らなくてはならない?

逆に、ライサのミスのない演技が、プルの生彩を欠いた演技よりも
完成度が高かったから金なのだという人もいます。
『number』の記事はその典型かと思います。
しかし、もしプログラムの『完成度』が採点を大きく左右するのなら、
なぜジョニー・ウィアーの点数は伸びなかったのでしょう?
私はジョニーの演技のほうがずっとすばらしかったと思います。
もちろんライサもすばらしかったけれども、
ジョニーは自分の『世界観』をプログラムに反映させていた。

結局、プログラムの完成度が問題ではないのです。
仏紙にすっぱ抜かれていましたが、
男子シングルが始まる前に
「つなぎの少ないプルシェンコの点数を下げるように」というメールを
アメリカのジャッジが他のジャッジに送ったそうです。

これがすべてを反映していると思います。
そして、パトリック・チャンの異常に高い点数も。

もちろんチャンの点数が高いのは
スケーティングがずば抜けているからだという人もいます。
しかし、スケーティングがすばらしいのは小塚選手も同じです。
私には二人のあいだにはそれほど差があるとは思えない。
むしろ小塚選手のほうがずっと上手いと思っています。
佐藤有香さん仕込みの、
パンにバターを塗るようなすっとなめらかに滑るスケーティングは
チャンのエッジが深く、粘っこいスケーティングよりもはるかに好感が持てる。
好みの問題ですが、でも、結局のところ差はないのです。
では、なぜ点数の差が出るのか。
それはチャンのプログラムの「つなぎ」が異常に多いから。

かつての採点システムではジャンプの比重がやや高く、
そのほかの技術はあまり高く評価されていないので、
いまの採点システムではもっと
スケーティングやスピンをもっと評価していこうという方針でした。

ですが、個人的にスケーティングやスピンの点数が
ジャンプと同程度に評価されているようには思えません。
確かにスピンの技術は向上したかもしれませんが、
その一方で、みなレベルを稼ぐために
同じようなスピンを行うようになり個性が失われました。
また、スケーティングですが、
ディープエッジの使い方のうまい選手
を高く評価するという方針のようですが、
前述のように同じディープエッジの使い手である
小塚選手の点数はあまり高くはありません。
ただ、ジャンプやスピンのあいだにある「つなぎ」が多いと、
異常に高く点数が出る。
というか、ジャッジの評価はそこに重きを置いている。
いや、ほとんどつなぎだけにしか評価をおいているように見えない。

だが、かといってキムヨナの「つなぎ」は多いのかといえばそうでもない。
ジャッジ自ら「すかすか」といっているのに、
スケーティング技術はチャンよりも高いのです。

つなぎの多さはいったいどこで判断するのでしょうか。
プルシェンコはSPで3Aを飛んだ後、
ステップを入れてつなぎにしていましたが、
残念ながら、高くは評価されませんでした。
しかし、3Aのあとにあれだけのステップが踏めるのは、
高い技術がなければできないことです。
つなぎの質が高いとされるチャンでもおそらく入れられないでしょう。
それでも、チャンのほうが上だというのなら、
『質』の高さをいったいどのような基準でジャッジは判断しているのか。
どうしてもそこに主観が入り込むような気がしてないません。

しかも、ジャッジの講習会で
プルシェンコや浅田真央のプログラムを「悪い例」としてとりあげ、
キムヨナやPチャンのプログラムを「よい例」として
とりあげられていたと報道されていましたが、
そこに、どうしてジャッジの「刷り込み」がないと判断できるのか。
悪い例として取り上げられた選手は、
演技が始まる前から、はなからこの選手はよくないという目で見られてしまうのでは?
こんな主観だらけの判定で、いったい何を競うのでしょうか?
『質』を争うというのは、結局その人の主観でしかありません。

『質』をもっととジャッジは言いますが、
本当の意味で『質』を争いたいのであれば、
コンパルソリーを復活させればよいだけです。
アイスダンスはまだあるのですから、
本当にジャッジが『難度』重視の方向から、『質』重視に変えたいのなら、
コンパルを行わせればいいことです。

しかし、彼らはやらないでしょう。
なぜ? コンパルをやれば主観の入り込む余地はなく、
ジャッジは勝たせたい選手を勝たせることができなくなってしまう。

プルシェンコがいうとおりだと思います。
『点数を操作して、勝たせたい選手を作る』
そういうシステムなのです、いまの採点システムは。

そして、彼が怒っているのは、
そういう主観だらけの採点システムなのです。

しかし、ジャンプは別です。
どうしても採点競技はジャッジの主観が入るもの。
ですが、ジャンプは純粋な技術です。
そこに主観の入り込む余地はない。
純粋に難しいジャンプを飛べば評価するし、
飛べなければ、点数を下げる。

旧採点法もたくさんの主観や偏見に満ちていましたが、
それでも100年近く支持されてきたのは、
そういう主観があっても、結局はみなが納得できるところに落ち着いていたからです。
それは結局は『技術』で判断されていたからだと思います。

よく伊藤みどりさんが勝てなかったのは、スタイルが悪かったからとか
『芸術性』に乏しかったからとかいわれていますが、そうではありません。
あの時代、まだ規定という競技があり、それが伊藤さんはうまくはなかったからです。
逆に、カタリーナ・ビットが勝てたのは、規定に強かったからです。
いわゆるコンパルソリーですよね。

そして、プルシェンコに関していえば、
2004年の世界選手権のフリープログラムは
彼はジャンプの前に転倒してしまうというアクシデントがありました。
ですが、結局は優勝しました。
それはジャッジの単なる主観だけではありませんし、
彼が偉大な選手だからだけでもありません。
プルシェンコがプログラムの最初に4-3-2、4T、3A~half loop~3Fという
きわめて難度の高いジャンプを決めたからです。
これは誰もが納得のいく結果でした。



もちろんプルシェンコは『ジャンプ』だけの選手ではありません。
スピン、ステップ、表現力、そのいずれにおいても他を勝っていたのです。
たとえば、スピンは男子では初のビールマンスピンのできる選手でした。
ステップも、高速ステップと呼ばれるほどの速く細かいステップを刻むことができた。
そして、ロシアン仕込みのバレエ風味の、
指先まで神経の行き届いた格調の高い表現力がありました。
また、何よりもプルシェンコは音をとらえるのが天才的に上手かった。
私はいつも彼の演技を見るたび、
足元から音が湧き上がって聞こえてくるように見えるのです。
プルシェンコが音楽にあわせているのではなく、
音が彼に合わせているような、そういう音のとらえ方をしていました。



彼は総合力においてずば抜けた選手だからこそ、
いまの採点システムを批判しているんです。

むしろ、今回のオリンピックで
彼が銀メダルだったことは逆によかったように思います。
これでいまの採点システムのおかしさ、矛盾がわかったでしょうし、
採点システムの最高という議論が進んでいくのではないかと思います。

そういう意味では、プルシェンコの復活は
大変意義のあるものだったと思います。

また彼は復帰をする前から、
男子に『4回転』は必要だと主張しておりました。
今回のオリンピックで負けたから、
ジャンプの点数を高くしろといっているのではありません。

ずっと以前から『四回転』の重要性・必要性を唱えていました。
彼の主張には少しのブレもありません。
皆さんはそういうことを分かって上で、
『負け犬の遠吠え』といっているのでしょうか。

また彼の時代は4回転全盛期でした。
4回転をプログラムに一度入れただけでは勝てなかった。
前のところでも述べましたが、
本田武史氏が言っていたように
「4回転を三回入れても、プルシェンコやヤグディンには勝てるかどうか」
というほどのハイレベルな戦いだったのです。
そして、プルシェンコはそうした過酷な試合で、
常に勝ち続けてきたからこそ、
いまのクワドレスの状況を嘆き、苦言を呈しているのです。

彼によって4回転を飛ぶということは
アスリートとしての矜持そのものなのです。
負け惜しみでもなんでもない。

そういうプルシェンコの主義を理解した上で
反論して欲しいものです。


またgdgdと追記:
私が納得いかないのは
(そして、プル自身も納得していないのは)
プル自身の技術の衰え、
または、ライサのプルを上回る技術によって
彼が負けたからではなく、
ジャッジという魔物に負かされてまったことなんです。
もしプルだって、自分の技術や演技力がライサに及ばなかったのであれば、
こんな風に不満を漏らしたりはしなかった。
だけれども、自分のほうがはるかに技術が上なのに、
技術とは違う、非常に不透明な何かによって
負けたことが許せないと思っているんだと思います。
そして、私もいまだに心のもやもやが晴れないのは、
『絶対王者』であるプルが、
ヤグディンのような選手に負けたことではなく、
何か見えない力に負かされてしまったと感じているからです。