2009/10/08

浅田真央 ジャパンオープン2009 『鐘』 考察 その1


すっかりご無沙汰してしまいました m(o´・ω・`o)mペコリン

前回の更新が8月ですか…。

プルシェンコの特集をやるやるといいながら、まったく更新せず…
まさに「やるやる詐欺」…

実はですね、新ブログのほうではチョコチョコと更新していたんですよね。
もともとこのブログは洋楽のアーティストを紹介するブログでして
フィギュア関係は副産物というか、
少し本業に戻らせていただいたというか。
最近ハマってしまったバンドがありまして、
そちらのほうの特集に全力を尽くしていたというか…(´-∀-`;)
本当に申し訳ありません。
けっこうコメントなんかもいただいていたのに、返すこともしないで…。
いったいなんて無礼なやつなんだ、わたしは……( ̄。 ̄;)

実はこっちのブログ、ここ最近見てもいなかったのです。
ですが、10月にもはいりましたことですし、
まさにフュギュアスケートの新シーズンの幕開け!
 ということで、こちらのブログでも更新を行っていきたいと思っております。
 私見だらけ、間違いだらけの拙いブログですが、
もしよろしければお付き合いくださいませ。

ではでは、早速ジャパンオープンで初披露となった浅田選手の「鐘」を見てみましょう。





すっごい鳥肌…

いったい浅田選手はどこまで進化するんでしょうか。
空恐ろしいとしか言いようがない。
19歳の女の子がここまでこの重厚な音楽を表現するとは、
タラソワってホントすごいコーチなんだなーと感心させられてしまいます。

このFSにはいろいろと批判ががあるのは知っていますが、
個人的にはこのプログラムは大━゚+。(〃▽人)。+゚━好きです。

というより、この難プロを見て、
タラソワは浅田選手をプルシェンコにしたいんだなというのがよくわかるというか。
前々から思っていたことなんですが、
タラソワの振り付けを見ていると、
時々これはプルシェンコにしかできないいんじゃないか
と思わせるような振り付けがあったりして、
彼女のなかで、自分のかなえることのできなかった
「夢」を浅田選手でかなえようとしているんだなと思っているのかなと。

どういうことかというと、

タラソワといえばたくさんの金メダリストを育てている名コーチとして有名ですが、
ですが、あまたいる弟子のなかで
真の「天才」という選手はいなかったと思うんですよ。
みな才能ある選手でしたが、「天才」はいなかった。

ヤグディンがいるじゃんとおっしゃる方もいるでしょう。
ですが、ヤグディンは才能ある選手ですが、
「天才」とはいいがたいと思います。
むしろ「秀才」といったほうがいい。
それに、彼には「恨み」とかそういう怒りのパワーが強かった人だと思うし。

タラソワ自身もたぶんヤグディンのことを天才だとは思っていないと思う。
数年前のインタビューで、わたしがあれッと思ったことがあって、
「天才だと思う選手は誰ですか?」とタラソワにきいたときに、
彼女は「プルシェンコ」と答えたんですよね。
わたし、このとき意外だなーと思ったんです。
わたしは絶対に「ヤグディン」と答えると思っていましたから。

タラソワはやはり腐ってもコーチで、
確かにヤグプル時代にはヤグディンをかばって
プルシェンコを下げるような発言をしていましたが、
その一方では、ひじょうに冷静な目で二人の才能の差を見ていたんですよね。
プルシェンコのほうがヤグディンよりも上だということを彼女は知っていた。
だからこそ、こういう発言が出てくるのだろうと。

ヤグディンにとっては非常にショックな発言ですが、
でも、やっぱりコーチという存在は才能ある選手が近くにいれば、
その選手を育ててみたいという欲望があると思うんですよね。
特にライバルでもあったミーシンが手に入れている「天才」を
タラソワは手に入れることができなかったのですから、
浅田選手に「天才性」を見出し、
その天才を心ゆくまで育ててみたいという気持ちがあっても不思議ではない。
むしろコーチの性のようなものさえ感じる。

タラソワと浅田選手はそういう意味でまさに理想の組み合わせなのでしょう。

タラソワの浅田選手の入れ込みようは、
この「鐘」というプログラムにもよく現れている。
これはまさに「女王のプログラム」であって、
その辺のフィギュアスケーターが滑れるプログラムではない。
キム・ヨナ選手のほうが雰囲気的にもあっているという意見もありますが、
個人的には、キム選手には無理だと思う。
確かにこの曲のダークさという点ではキム選手にはあってますが、
この曲は暗さだけでは表現しきれないたくさんのものが含まれている。
「荘厳さ」「神々しさ」といったものも表現できなければ。

しかし、浅田選手は見事にこの「荘厳さ」「神々しさ」を表現してるんですよね。
特に最後にステップはすごすぎる。
わたしはこのステップを見て
初めて浅田選手に「畏怖」を感じました。
こういう神の領域に達するような表現を
19歳の女の子がすることができるというのは
本当に浅田選手の努力には敬服です。
カプリースのときから表現力がアップしたなと感じていましたが、
はじめて、わたしは浅田選手を見て、「凄絶さ」を感じました。

ジャンプの失敗に関しては、
本人の体調不良もあったことですし、あまり気にするべきではないかと。
しかも、こんなお披露目試合、誰が本気で滑ったりしますか。
まだまだみんな調整中でしょう?
小塚選手だってジャンプミスしてたし、
本当にこれから。
何よりも本番のオリンピックでどれだけ完成させられるかですから
それほど心配するほどでもない。

あと、ジャンプ構成が去年と同じだったという批判がありますが、
わたしは、このシーズンに、逆に違った構成で行うのはよくないと思います。
タラソワもすでに織り込み済みでしょう。
浅田選手に足りないのは「安定感」です。
なかなかジャンプを完璧に(特に回転不足なしで)飛ぶことができない。
SPを「仮面舞踏会」にしたものも、
ここ最近出遅れがちになっていたSPを慣れ親しんだ曲で行うことによって、
少しでもSPに慣れてもらうようにとのタラソワの配慮でしょう。
このジャンプの安定感を確実なものにするためには
やはり去年と慣れ親しんだ構成で行くのがベストだと思います。
かのプルシェンコだって、あれだけ完璧にジャンプを飛べたのは
ステップなどの細かな構成を変えても、
ジャンプ構成などの大まかな構成を変えなかったというのも大きいと思います。
彼のプログラムをすべて分析してみても、
ジャンプやステップの大まかな構成はなにひとつ変わっていない。
難度の高いジャンプを最初に持ってきて、
最後にステップという構成は彼の長いキャリアのなかでほぼ変わらなかった。
タラソワもそういうことを考えて、
あえて浅田選手のやりやすい構成できたのだと思います。

ただ個人的に思うのは、サルコウはいらないかなーと。
果たしてあのジャンプをやるメリットはどこにあるのか。
それほどGOEも稼げるわけじゃないし。
あそこはループでいいんじゃないかな。
あと、3Tからの2Aですが、
なぜ2A-3Tにしなかったのか。
きっとまだセカンドの3Tが完璧なものではないかもしれないですよね。
ルッツを入れなかったのもまだまだ完成度が低いのかも。
練習では入れていると思うんですが、
実際の試合で、通しでルッツをやると、つなぎ等の関係から
あまり上手くいかないのかなーと思ったり。
場数を踏んで、慣れなくてはいけないのですが…。
ルッツはあきらめたほうがいいのかな。
本当に憎っくき新採点ルール…(^ω^;)

それとも、最初の試合ということを考慮して、
あえて去年と同じ構成にしたのかもしれませんしね。
緊張しやすい浅田選手を少しでもリラックスしてもらおうと
構成を同じにしたのかもしれないし。

たぶん試合を重ねてゆくにつれ、
ジャンプ構成を若干変えるかもしれませんよね。

またはセカンドの3TはSPのみという可能性もあるし。
今回のお披露目で回転不足が多かったことを考えても、
まだまだ厳しい部分があるのかな~。

あと心配なのは、最初の3Aに入るときがちょっと・・・。
つなぎを多く入れないとならないので、
どうしても助走が短くなってしまう。
前の仮面のときは助走が長すぎるという批判がありましたが、
実はあれぐらいの助走がなければ
浅田選手の場合は3Aを飛べないのではないか。
たぶん練習では上手くいっていると思うので
大丈夫だと思いますが。
難度の高いジャンプをやるからにはそれなりのリスクは覚悟しなければなりません。
果たして短い助走で3Aのコンビネーションはできるのか。


《続く》