2009/07/19

真の天才とは?~エフゲニー・プルシェンコを見る ちょこっと脱線②の2~


《甘くはない復帰への道―天才・プルシェンコの不幸》

(下の続き)

せめてもう一シーズン前に復帰していたら、と思わずにはいられません。

もちろん怪我のことをわかった上なのですが。

なにせ時間が足りない。
相当密度の濃い練習をしなければ、「遅れ」を取り戻すことはむずかしい。
ほかの人にとっての一日の練習が
彼にとっては何十日分の練習に匹敵するわけですから。

それに、ひざのこともあるわけですし、無理をすることもできない。
慎重に、しかし、たくさんのことを取り戻していかなければならないわけで、
これは非常に大変な作業だと思います。

本当につらいことですよね。


プルシェンコにとっての不幸とは
自分の才能を開花させるために
己の肉体を犠牲にしなければならないことです。

しかも、その才能が発揮できるのは人生のひと時でしかない。

彼の才能は疑うべくもありませんが、
その代わり、大きな代償を伴います。
怪我、肉体の損傷、などなど自分の健康にかかわってくることすべてです。

この辺が、モーツアルトとは違うところです。

モーツアルトなど音楽や絵画に携わっている天才は、
肉体ではなく、頭を使うものですから、
それほど代償を伴わなくてもすむわけで、
また死ぬまで続けられるわけです。
(もちろん長い人生のなかでスポイルされて
才能を枯渇させてしまうこともあるわけですが)

親族が「復帰」に反対していたのもうなづけます。
下手をすると、歩けなくなってしまうかもしれないんですからねえ。
より平穏に、たやすく暮らしてほしいという気持ちも十分わかるわけです。

そして、彼のモチベーションのあり方にも。
恋人にいいところを見せたくて復帰するわけでしょう、ぶっちゃけ。
「子ども」のためならまだしも。
そういうところでしか、モチベを発揮できないところにも問題ありですよね。
ハングリーさという点でね。

だって、たとえばジュベールはまったく違うわけでしょ。
彼にとってバンクーバーは最後のオリンピックになるはず。
どうしたってメダルを取りたい。
過去二回のオリンピックでメダルを取れずに終わっていることからも、
メダルへの渇望はほかの選手よりも断然強いわけで。

この強力なモチベとどうやってプルシェンコは闘っていくのか。
プルシェンコ自身にも死ぬほどメダルを取りたいと思っていた時期はあるはず。
そのことを誰よりも知っている本人が、ジュベールと対峙したときどう感じるのか。

それに、プルシェンコはみなが思うほど精神的に強くはないですから。
特に大きな大会で、最初の金メダルを狙うときは
必ずといっていいほど失敗してますから。
2000年の世界選手権しかり、ソルトレークしかり。



それにしてもねぇ、どうしてこう…
まあ、そういう面も含めて
彼のことを天才だと思うし、好きなんですけれども、
とにかく女運が悪すぎ (((=ω=)))ブルブル

どうしてああいう恋人しか選べないのか。

ロシア一の英雄なんだから、それこそよりどりみどりなのに、
なぜかいちばん悪いところを選んじゃう (;^ω^A

モーツアルトも、ソクラテスも悪妻持ちで有名でしたからねえ。
ま、その道しか知らない人にとっては悪女は魅力的なんでしょうけれども。


素人が見たって、「金」ほしさゆえに復帰を促したことはわかりますよ。

恋人にとってはメダルなんてどうでもいいんですよ。
ようはもういちど話題になって、たくさんのスポンサーがついて、
CMやらテレビなんかに出させて、金が入ってくればいいわけで。

わたしにはそういう「魂胆」が透けて見えてたまらないんですが。

プルシェンコを影で支えたけなげな女というすばらしい自身の評判まで
手にいれられ、さらには、かつてのスキャンダルな側面はすべて帳消しにされる
という最高のオプションもつくわけですからねぇ。

ほかのファンの人はそういうところは見ないんですかね。
「逆玉」だって無邪気に盛り上がってますけど。。。

だって、いまのロシア経済ってどういう状態か知ってますか。
壊滅的な状態ですよ。

今FXをやりたくて、経済を勉強中ですが、
ロシアの経済はある意味アメリカや中国以上にヤバい・・(´Д`;)。
資源バブルが崩壊して、株価が72%も下落したんです。
72%ですよ、中国でさえ65%だったのに。
株価が半分以上も下落したとなれば、
いま手持ちの株はほとんど紙切れ状態でしょう。

ロシア人っていうのは、けっこう株で資産を持ってますから。
彼らのふところがどれだけ打撃を受けたか想像に難くはないはず。

しかも富裕層の資産の目減りっぷりはハンパじゃない。
オルガリヒ(新興企業家)たちの資産はすべて半分以下になってしまったそうです。
あの有名な石油王・アブラモビッチも
187億ドルあった資産が51億ドルまで下がってしまいました。
ウィキペディアにも、オルガリヒの壊滅的状況が記されています。


2007年から始まった世界金融危機で、現在多くの新興財閥が没落の危機に瀕している。

石油やガスなどの資源頼みの経済は、産業構造が非常に脆弱で
ほかの国が不況に陥るとよりダイレクトにダメージを受けてしまうんです。

ましてや、ロシア経済はほとんど外貨頼みだったわけで。
サブプライムローン危機で西欧の資金がどんどん引き上げていっている状態で、
もういちど資源バブルを起こそうと躍起になっている
プーチンの政策は無謀としか言いようがない。

それに会社を起こしている人はすべて欧州系の銀行からの融資ですから、
恋人の会社の経営がどれだけ危ういか、素人だって判断できるのに。

なんでもエステサロンを経営しているとのことですが、
エステなんて中産階級がほとんど育っていないロシアでは、
明らかに富裕層相手でしょう?
その富裕層の資産がみんな半分以下になってしまっているのに、
エステにお金をかけたい人なんていますか。

そういう諸々の点を考えても、
恋人がプルシェンコを使って自分の会社の赤字を補填しようと
画策してるのがわかりそうなものですけれどもねぇ (´・ω・`)

現にプーチンはかつて国有であった資源会社を再び国有化して、
赤字化した財政を会社の売上金で補填しようとしてるわけですからねえ。
国の首相がそういうことを考えているわけですから、
個人だって同じことをしないとはいえないわけで。


ハァ・・ε-(‐ω‐;)

まあ、そこもね、含めて好きなんですよ。
スケート以外何もできないところがね。
それもまた天才の魅力なんですから。
モーツアルトだって経済観念がゼロで
借金ばかりの生活をしていたわけですし。
しかも、大の女好きで、
本当の死因は売春婦から梅毒を移されたせいだといわれているんですから。


ロシア杯は厳しいでしょうなぁ。
しかし、本命はオリンピックなんでね。
そこで、完成できればいいわけで、気楽にいってほしいですが。

ただねえ、ロシア杯にはPチャンも出場するんですよ。
そこである程度の評価を取っておかないと。
PCSの面で、今後の大会においてPチャンより低く評価されてしまうかもしれない。

本当に厳しい復帰だと思います。

だからこそ、がんばってほしいと思うんですが…

2009/07/18

真の天才とは?~エフゲニー・プルシェンコを見る ちょこっと脱線 その②の1~


《甘くはない復帰への道のり―長くなりますので2回に分けて書きます》


プルシェンコの最新映像がニコニコ動画に上がってました 

ワァ──ヽ(〃v〃)ノ──イ!!

↓↓↓↓↓




カナーリやせて、ほっそりしていらっしゃいます。
ここの合宿ではオフアイスでのトレーニングが中心で、
氷上トレーニングはあまりやっていないそうですが、
それでも、ジャンプ等の練習を欠かさずやっているようです(ニコ動画の説明より)
何でも4-3-3をやって見せたんだとか。

どんだけ宇宙人なんだよ (゚∀゚ ;)タラー って感じなんですが、

同時に、長いブランクを経た後の復帰の難しさをまざまざと感じさせるものでもありました。

ニコではファンの方の書き込みもあり、
非常に好意的・楽観的に見ていらっしゃる方が多かったのですが、

あえて悲観論的視点から、現在の彼の状況を捉えてみようかと。

もちろんプルシェンコ本人が復帰するというからには、
彼の決断を応援しますし
彼が復帰に向けてかなりのところまでレベルを戻していることは認めます。

しかし、それが今の採点システムに対応できるのか、
ほかの選手たちと対等に競争できるのかはまた別問題だと思います。

わたしはひねくれものな性格の持ち主なので、
盲目的な賞賛には、どうしても懐疑的になってしまうんです。

やはりここはファンだからこそ、
冷静な視点でプルシェンコの現在をとらえなければ
真の意味での「復帰」は語れないだろうと思うんです。

正直言って、わたしはニコ動でコメを上げている方たちほど、
彼の今の状況を手放しではほめられません。

さすがの天才・プルシェンコであっても、
年齢や怪我には勝てないのだなということをまざまざと感じさせられました。

ニコのコメにパトリック・チャンよりはSSは劣っているというのがあり、
ファンの人はプル下げはよくない的なことを言ってましたが、
これは単なるサゲでもなんでもなく、
ある面では、真実をついていると思います。

わたしも同じことを感じました。
あのレベルのままで行くならば、
ステップの面においてもPチャンに勝つのはむずかしいだろうと。

北米開催のオリンピックということになりますと、
嗜好はおのずと北米寄りになります。
北米のフィギュアにはジャンプよりも
スケーティングの美しさのほうを高く評価する風潮がありまして、
佐藤有香さんが北米で高く評価されているのも、
彼女のスケーティングゆえなのです。
(彼女はジャンプがあまり得意ではなかった)

プルシェンコのスケーティング技術自体は非常にレベルが高いです。
彼の強さは、ジャンプだけではなく、
スピン・ステップの一定のレベル以上のものを取れるという点にあるわけですから、
彼のステップに対して文句のつけようなどはありません。

しかし、彼にはひとつ、欠点があって、
それは、ディープ・エッジの使い方がやや浅いんです。
プルシェンコはその欠点をカバーするために、
スピードのあるステップを細かく入れているのですが、

このステップが果たして北米で受け入れられるかは
非常に難しい気がするのです。

前述しましたが、北米のファンはスケーティングを特に見ます。
しかし、スケーティングの上手さをどこで判断するかといえば、
細かいステップをたくさん刻むというのではなく、
ディープ・エッジをどれだけたくさん入れられるかなのです。

そういう点において、プルシェンコのいまのステップでは
Pチャンに劣るというのは、間違ってはいないと思うんです。

もちろんまだ7月ですので、10月のロシア杯までには
これから改善していければ間に合うかと思いますが、

しかし、それ以上にジャンプやスピンの面においても
克服しなければならない課題は山積みかと…。

まずスピンは、もう少しバリエーションを増やさないと厳しいですよね。
腰が悪いのでシットスピンを行うのは無理がありますが、
少なくともAスピンとか入れられるようにしないと
レベルは取れないんじゃないかと。
いまではどんな選手も簡単にレベル4を取ってしまいますしね。
より難度の高いスピンのバリエーションが必要です。

こういうときにビールマンが使えればいいのですが、
もうビールマンはやれないし、厳しいところですよね。


ジャンプも非常に厳しいです。本人は何の気になく跳んでますが、
個人的には、かつてのような回転にキレがないのがすごく気になる。
プルシェンコの強さを支えているものとして、
前回でも述べたように、
ジャンプの回転速度の速さというのを上げました。
あの異常な回転速度の速いジャンプが
高難度のジャンプをより高い確率で成功させていたのです。

そのジャンプの回転が遅く、そして、軸がぶれてきている。
4回転がつんのめったようになって降りてきてしまうのも、
回転が遅くなって、余裕がなくなってきているからです。
これは非常に危険な兆候です。

あと、個人的にはルッツが気になります。
4月の時点ではステップからのルッツを余裕で跳んでましたが、
なんとなく気になってしまう。
これも回転が以前よりも遅くなってきているせいかもしれません。

でも、以前よりはルッツの成功率も下がっているような気がします。

フリップのエッジの問題は逆に気にしてません。
最悪やらなければいいことです。
ループやサルコウに変えればすむことです。
現にリトアニアの合宿で、3S-3Tのコンビネーションを練習していたので、
もしかしたらフリップの代替なのかもしれません。

4Tに関していえば、最悪あきらめてしまえば、
3Aは余裕で飛べているので問題はないかと思いますが、
ただ、以前のジャンプと明らかに質が違ってきているので、
その質の面をどうやって克服するのかと。

プルシェンコは天才なので、そんな些細なジャンプのタイミングも
簡単に修正できると思ってしまいがちですが、
十年以上も同じ感覚・同じタイミングで跳び続けていたジャンプを
いまになっていきなり変えるというのは非常に難しいことです。


2009/07/10

真の天才とは?~エフゲニー・プルシェンコを見る その3~


お待たせいたしました。 m(o´・ω・`o)mペコリン

今日はプルシェンコ特集第3弾へとまいりたいと思います。

が、ヤグディンとのことを書こうと思ったのですが、
いま彼の自伝を読み返しているところで、
まだ頭の中で整理がついておりません (;^ω^A

二人の関係はいろんな要素が複雑に絡み合っておりますので、
どういう風にまとめればよいか悩んでおります。

ヤグディンの視点から書けばいちばんわかりやすいのでしょうが、
それでは、あまりにも普通すぎるし、
ほかの人もいろいろと書いているのでどうかなと思ったり…

なので、今回は少し別の角度からプルシェンコを見ていければなと。

彼のジャンプの特性について分析したいと思ってます。

しかし、まだスケオタ3年半歴の超ド素人ですので、
専門的なことは指摘できません。
また、まちがいも多いかと思います。
そういうことも承知の上で、無謀な試みというか、
少し書いてみようかと。

実はわたくし、プルシェンコのジャンプが大好きなんです。
もし彼のどこが好きかと問われたら、
「ジャンプ」と答えるでしょう。

というわけで、このエントリを利用して、
プルシェンコのジャンプを分析しつつ、
スケーターにとってのジャンプとはなにかというものを
素人なりに考察してみたいと思います。
そして、いまのジャッジシステムのなにが問題なのかも考察していけたらと。

またまた長文になってしまいますが、ご了承くださいませ


まずプルシェンコのジャンプの特性について指摘する前に、
スケーターのジャンプには、概して二つのタイプに分けられると思います。

①高さと幅はあまりないものの、回転速度が異常に速いジャンプ
②高さと飛距離はすごいが、回転速度が遅いジャンプ

です。

まあ、スケートをそれなりに見ていたらなんとなくわかると思いますが。
では、①のジャンプは誰が当てはまるかというと、これはご存知の通り浅田真央選手です。
②のタイプはキム・ヨナ選手。
実はあまり女子で②のタイプのジャンプを飛べる人はいないとされているようです。
おそらく筋肉量のちがいとか身体能力の性差が大いに関係してくるのだろうと。

で、いま盛んに議論されているのが
なにをもって「美しい」ジャンプと考えるかですよね。

通常「美しい」ジャンプとされているのが②のタイプだといわれています。

なので、いまの採点制度では②のジャンプを飛ぶ人に対しては、
ものすごく加点がつきます。
男子ではパトリック・チャン選手ですよね。
彼は典型的な②タイプのジャンパーです。
彼のトリプルアクセルは本当に豪快。
あれほど美しい放物線を描くジャンプもないだろうと。

あと、トッド・エルドリッジ選手のジャンプも素晴らしいです。

ただですね、こういうタイプのジャンパーは、
確かに「質」という点では素晴らしいのですが、
難度の高いジャンプが飛べない傾向にあるようなんです。

トッド・エルドリッジ選手は何度も試みはしたものの、
結局ほとんど4回転は成功しませんでした。
パトリック・チャンも同じだと思います。
いま盛んに練習をしているようですが、
彼の4回転は成功しないでしょう。

なぜかというと、回転速度の遅いジャンプというのは
4回転を跳ぶのにあまり適しているジャンプではないように思うからです。

もし②のタイプでジャンプを飛ぶとするならば、
ものすごい飛距離を必要とします。
その飛距離を出すためには、相当な助走と体力を必要とするはずです。

飛距離を出すためには相当速いスピードで滑らなければならない。
そして、4回転を回転させるためにはものすごい滞空時間を必要とします。
重力に反発して空中にい続けなければならないわけですから、
その体力の消耗たるや、並大抵のものではないでしょう。

キム・ヨナ選手が最初の3F-3Tのコンビネーションをやったあと、
バテバテになってしまうのも、
このジャンプの特性と非常に深い関係があるように思うのです。

つまり②のタイプのジャンプは美しく見せることに適してはいるが、
体力を消耗しやすいという欠点もあるのではないかと。


では、①のタイプのジャンプはどうでしょうか。
回転速度が速いジャンプは、
基本的にはあまり「質の高い」ジャンプとみなされません。
それはなぜかというと、
①のタイプのジャンパーは総じてみな高さと幅がないからです。

典型的な選手は、カナダのケヴィン・レイノルズ選手でしょう。
彼は現時点では最高難度の4T-3T-3Loの大技を持っていますが、
ジャンプに高さがない。そして、幅もなく、回転速度の速さだけで回りきってしまう。
なので、いつもGOEが高くつかないのです。

しかし、実は4回転ジャンプの成功率の高い選手というのは
総じて①のタイプのジャンパーが多いような気がするのです。

わたしが知っているところでは、ティモシー・ゲーブル選手
①のタイプのジャンパーです。
ほとんど助走らしい助走もないまま、
4回転やトリプルアクセルを跳んだりします。
しかし、その一方で、彼のジャンプは姿勢が悪いとか
高さがないとか、質が低いとされてきました。

浅田選手もそうです。高さはあるものの、飛距離はないといつも批判されています。



いまのジャッジシステムでは、残念ながら、①のジャンプの評価は低い。

しかし、前述したとおり、
高難度のジャンプをより高い確率で飛べるのは
総じて、①のタイプのジャンパーなのです。

実は回転速度の速さというのが、
高難度ジャンプにはもっとも必要な要素であり、
これを習得できなければ、4回転(またはトリプルアクセル)
を跳ぶことはむずかしいのです。

また、このジャンプは体力をそれほど必要としなくてすみます。
回転速度が速いため、ほかの選手よりも滞空時間が短くなります。
そうすると、当然空中にいる時間も少なくてすみますから、
体力を使わなくてもすむわけで、
非常に省エネでかつ効率のよいジャンプを跳んでいるということになります。

そして、たぶん①のタイプのジャンプは、
非常に「先天的な」ものと密接に関係があるように思います。
要するに生まれながらにして
そのような体力や才能を持っているタイプに多いのではないかと。
浅田選手しかり、ゲーブル選手しかり。

ということになると、
こういうジャンプが習得できる人は選手の中でも
より限られた人になるわけですから、
当然現在ジャッジを務めている元スケーターの中で
そのような人はほとんど存在しないと思われます。
なので、当然先天的才能がないために、
そのようなジャンプの才能を見抜くことができない可能性が高い。
したがって、どうしても「教科書通り・教えられた通り」のジャンプに
目が行きがちになるのかと。

凡人が天才を見極められることはできないわけですしね。


で、プルシェンコなのですが、
彼も基本的には①のジャンパーです。
彼のジャンプは高いですが、
ほかの4回転ジャンパーから見ればそれほど高くはない。
そして、飛距離もない。
特に1998年から1999年のシニアデビューしたての頃はそうでした。
氷上に対して垂直に跳ぶジャンプが多く、
あまり飛距離がなかった。
おそらくその頃はあまり背も高くなく、体重もなかったので、
そのように跳んだほうが跳びやすかったのでしょう。




しかし、18歳を過ぎて成長期が止まり、肉体が完成するようになってくると、
ジャンプの質を変えて②のタイプのジャンプを取り入れるようになったのです。



4Tを跳ぶときの幅が広くなりました。
ですが、セカンドジャンプは以前垂直系なんですよね。
たぶん、そちらのほうが効率がよく、成功率も高くなるからでしょう。

プルシェンコの面白いところは、
①のジャンプを基本としつつも、
②のジャンプの特性もしっかり取り入れているということ。
これはフィギュアスケーターとしては理想のジャンプといえるでしょう。

だからこそ、プルシェンコはジャンプの「天才」でもあるといえるわけです。

2009/07/02

浅田真央選手の2009シーズン・プロを考察してみる ~これはヤバいかも(ファンタジー的脱線)~



いろいろとネットサーフィンしてたら、偶然こういう記事を発見しました。

↓↓↓↓↓

浅田の金獲得に暗雲、ルール改正で有利になるのは?

この記事、本当なんでしょうかね???

まあ、週刊誌の書いてあることなので真に受けないほうがいいかもしれませんが

それでも気になるのが、この記事の以下の部分

↓↓↓↓↓

同誌ではフィギュア専門記者による、
ISU(国際スケート連盟)は、
フィギュアの最大市場である北米に配慮してか、
2大会連続で日本勢が金メダルを獲るのは好ましくないと考えているようです

といったコメントを掲載


わたし的には、

キタ━━━━(°Д°)━━━━!!!!

って感じなんですけれども (;^ω^A

こういう記事を見て、ジャッジにいっさいの不正はないと
主張している人はどう思うんでしょうか。

ごくたまにブログやその他の記事で

「ジャッジに不正なんてあるわけないじゃん。
負けるのは選手が弱いから」
という人がいるんですが、

もちろん個人の主張は自由ですし、
そのことに対して、何の反論もないのですが、

ただ、ごくたまにですね、

ジャッジを神聖視するあまり、
採点制度の批判すらしてはいけないという人もいまして。

これはどうなのかなーと思ったりします。


前にも書きましたが、
こういう「裏での内定」というのはスケートの世界ではあるようで、
カート・ブラウニングは選手時代、
コーチに「今年の世界選手権はジャッジは
ペトレンコを優勝させるつもりでいるから
負ける準備をしておきなさい」といわれたそうです。

もしかして、浅田選手の新プログラムも
「そのような裏での決定」が影響しているのかもって
うがった見方もできますよね。

だって、どんなわかりやすいプログラムを演じても、
もし事前に優勝者が決まっていたら、どうですか?

それならば、真っ向から難しいプログラムを演じて
ジャッジをねじ伏せようと考えてもおかしくないですよね。

まあ、これもわたし個人の憶測でしかないし、
そもそもこの記事自体のソースがはっきりしない以上なんともいえませんが。


しかし、浅田選手の金メダルはわたしたちが予想している以上に厳しいことは
このような記事が出てしまうことからも
かなり明らかであることは間違いないようです。

これはトリノ五輪のときから決まっていたように思います。
そう、荒川静香さんが金メダルを取ったときから、
たぶん次のオリンピックは日本人以外の誰かにと決まっていたんでしょうね。

これはちょっと浅田・安藤選手には不利ですよね。

また日本スケ連の誤算もあったかと思います。
荒川さんは金メダルの候補というよりは
よくて銅メダルという予測だったはず。
しかし、運良く彼女が神演技をしたために
(そして、ほかの有力選手がミスしたために)
金メダルになっちゃった。

これは大きな、しかしうれしい誤算でした。

しかし、同時に彼らのこれ以降の観測が甘すぎたわけで…

2007年シーズンからの理不尽ともいえるルールの改正…

これをスケ連はどうにかできなかったものかと。
金の力で押さえつけるとかね。
日本人って金をたくさん持っているくせに、
その使い方をまるでわかっていない。

まあ、柔道の件から見ても、
日本が国際連盟の勢力図を見誤って、後手に回り、
その結果五輪本番で惨敗するというのはいつものことですけれども。

しかし、浅田選手本人はかわいそうですよね。
安藤選手もしかりです。

佐野さんは安藤選手に分があると見ていますが、
安藤選手も日本人である限り、金メダルは…厳しいと思います。


( ̄ヘ ̄)ウーン
だんだん日本人選手の雲行きが怪しくなっていくような…

やはりキム・ヨナ選手の優勝確定でしょうかね…

いやな流れだわ…(。>皿<。)

しかし、ですよ、まったく可能性がないわけではありません。
もちろん浅田選手が神演技をすれば金メダルを取れますが、

それ以上にいま北米の状況は大きく変化している。

特にアメリカはサブプライムローンの破綻により、
多くの金融機関が倒産し、 歴史的な大恐慌に見舞われつつある。

オバマ大統領はそのような状況を打開すべく、
オバマ・ディールと呼ぶべき、
国家による救済政策を行っているんですが、


なにせいまのアメリカには金がない。
対外債を発行してなんとか食いつないでいるところです。

それでも、最近までは売れていたんです。
バブルがはじけるまでは。
しかし、世界的な金融恐慌に見舞われて、
いまはどこの国も危ない状況。
特に欧州はかなりャバィ・・(-ω-;)。
アイスランドはすでに破綻しましたし、実はイギリスも破綻寸前なのです。
ロシアもかつてはかなりのお得意さんだったのですが、
こちらもバブルがはじけて破綻寸前。

いま国債を買っているのは日本と中国しかない状況。
それでも長期国債はまったく売れず、
FRBが買い取っているような状態なのです。
まさに危機的な状況です。

このままならアメリカそのものが破産してもおかしくない。
もっと国債を買ってくれる誰かが必要なんです。

その国債を買ってくれる誰かといえば…

わかりますよね。


考えても見てください。
去年から日本の国際的評価は高くなってきています。

去年、ノーベル賞を日本人が4人も受賞しました。
今年、「おくりびと」がアカデミー外国語映画賞をとりました。
今年の3月には、WBCも二連覇しました。

これって、偶然ですかね????

その延長上に、日本人選手の金メダルがあっても、それは不思議はないですよね。

ただし日本は高いお金で買わなくてはなりませんがね。

しかし、アメリカが日本をこれだけ持ち上げるのも
それだけアメリカが困っているともいえるわけで、
そして、その救済ができるのも世界で一番現金を保有している日本しかないわけです。

なので、日本人のオリンピックに連覇の可能性はなくもない。

いま、中国も米国債保有について疑心暗鬼になっていますから、
日本が買い支えしなければ、もうアメリカという国家自体なくなるかもしれない。

それならば、金メダルぐらいあげても別にどうってことはないですよね。
事実アメリカには有力な選手がいないわけですから。


まあ、これはわたしの頭の中で考えたファンタジーです。
ちょっと、というか、カナーリ飛躍しすぎましたね "r(^^;)

偶然この記事を読んで、
悪寒のようなものを感じたものですから、
勢いでばあっと書いちゃいました (^ω^;)

ただ今年の世界選手権からのいやな流れを見てると
浅田つぶしが現実になってもしかたがないのかなーと。


あの世界選手権でのジャッジたちの
ルールさえも捻じ曲げてもキムヨナを勝たせるんだという意志。
あれは正直言って怖かったです。

オリンピックもそうならないよう祈るばかりです… (-人-) 南無南無