2008/03/29

ひっでー

↓のstillsの続きなんだけれども、
アルバム聴いてたらこの人たちのことをもっと知りたくなって、
そういえばロキノンかクロスビートに載ってたなと
本箱をあさったらありましたよ、彼らのインタヴューが。

で、いろいろと読んだら
やっぱりスミスやキュアーの影響を受けていたことが判明。
なんでも「スミスやキュアーのような音楽を作りたかった」とのこと。
なるほどね。二つのバンドの音の雰囲気がすごく伝わってくるものね。

このバンド、デビュー当初は評論家達から
「エコバニの再来」といわれていたみたいで、
ことあるごとにエコバニと比較されていたみたいなんだけれども、
インタヴュアーにそのことを聞かれたら、作曲担当のドラムが即刻、

エコバニは聞いたこともないし、影響も受けていない。
エコバニと比較されることはかっこいいことじゃないから
」だって。

ひっでー。そこまで言うか。
こいつ、相当極悪だなあと思ってしまったよ。
もちろんその発言の裏には
何でもかんでもエコバニと比較されることにうんざりしていたというのもあったんだろうし、
自分達のオリジナリティを強調したい部分もあったんだろうと思う。
でも、その一方で彼の言ってることもよく分かるし、
なによりも当時のnew wave revival系のバンドが考えていたことが
最もよく分かる発言になっているんじゃないかとも思う。

前にも書いたようにnew wave revivalというのは
new waveを何でもまねているわけじゃない。
せいぜい2,3のバンドだけなんだよね、影響を与えているのが。
その最も顕著な例が、joy divisionとcureだったというわけで。
そのほかはせいぜいnew orderかdepeche mode、
またはポスト・パンク系ぐらいなもんでしょ?

そして、同じnew wave revival系でも
エコバニに影響を受けましたと公言しているバンドはなぜか少ない。
私が知ってるのはcoldplayぐらいだもの。
もしかしたらfutureheads辺りは公言してたかも。
でも、joy divisionとcureに比べたら断然少ない。

なんで? って思うんだけれども、
同時にすごく彼らの気持が分かるというか。
new wave revival系ってだいたい私と同じ年頃の人たちが多いんですよね。
まあ、同世代ですよ。
そんな同世代の人間が見て、エコバニってすごいきついというか、
同じnew waveでも好きになれないバンドなんですよね。
なんかダメ。うまくいえないんですが、音がもうダメなんです。
すごく古くさく聞こえるというか。
joy divisionやcureだって昔の音楽だよ?
古くさく聞こえるんじゃない?って思われる方もいると思うんですが、
この二つのバンドははじめて聞いたときから
不思議と古いとは思わなかったんですよ。
もしかしたらNINでだいぶ鍛えられていたせいかもしれないんですが。
トレントは以前からこの二つのバンドが大好きだったし、
特にjoy divisionのdead soulsをカバーしているので、
NINの延長で違和感もなく入っていけたんですね。

だけれども、エコバニはダメ。すごくきつい。
エコーのかかり方が古くさいというか。
すべてが過剰で、オーバーすぎて、
joy divisionやcureみたいに冷めた部分がない。
この二つのバンドには、どこか突き放した部分があって、
それがすごくクールに見えるんだよね。
だから、NY出身のインターポールがjoy divisionを引用する。
都会的冷たさと彼らの音楽がぴったりと一致するんでしょうね。

方やエコバニはそういう都会的クールネスを思わせる部分が少ない。
それプラス、ポップさが足りないような気がする。

それはエコバニが至極まっとうな、生真面目なロックバンドで、
自分達の音楽をとてもシリアスにとらえていた
からなんだと思う。
joy divisionやcureみたいにポップソングへの憧憬というのがあまりないんだもの。
joy divisionってイアンのイメージが強すぎて、すごくシリアスなイメージが強いけれども、
イアン自身はとてもクラブ・ミュージックが大好きで、
クラフトワークみたいなエレポップにもすごく精通していた。
cureはいうにあらず、彼らが世界的にブレイクしたのは
中期から現在にかけてのポップ化への移行によるもの。

ところが、エコバニにはポップ・ミュージックへの情熱はあまりないように思われる。
しかし、だからこそ彼らの音楽は80年代の時代の空気にぴたりと当てはまり、
当時の若い人たちを熱狂させたんだとも思う。
そして、時代が過ぎるのと同時に彼らの役目を終えた。

ロックというのは常に時代と併走しているものだとは思わないけれども、
でも、ニルヴァーナとか見てると
やっぱりロックというのはその時代とともにあるといわざるを得ない。
エコバニもそういうバンドの一つだったんではないかなと。
だから、いま聞いてもぴんと来ないし、キビシイし、きついし、古いって感じちゃう。
もしかしたら彼らの音楽が
完全に時代に追いついていないせいなのかもしれないけれども。

そういうことを考えたら、
このstillsのドラムの発言もまちがってはいないかなぁと思ったのでした。

The stills

最近、↑のアルバムがよくってよくって
PCでもオーディオプレーヤーでもこのCDばかりかけてる。
買った当初はぜんぜんハマれなくて、4年ぐらい放置していたんですが、
先々週ぐらいからnew wave revivalが突然マイブームになりだして、
当時買ったブロックパーティやdepature、futureheadsなどの
new wave revival系のCDを探し出して聞いてたら、
stillsがすごくいいと思いはじめて
それ以降ずっとヘヴィロテ状態。

数あるnew wave revival組でも
このバンドはすごくオリジナリティがあるというか、
前にも書いたように、
new wave revivalは大きく3つに分けられると思うんですが、
このバンドはどのタイプにも当てはまらない、独自の世界観を持っている。
確かにjoy divisionの影響は否定できないものの、
joy divisionよりもcureやスミスの影響が強いというか、
彼らはjoy divisionよりもスミスやcureの世界観に憧憬を抱いているんだと思う。
だけど、そのおかげで同じnew wave revival組でも
一線を画したバンドになったともいえる。

ボーカルもすごく良い。
new wave直系の気だるい系なんだけれども、
イアン・カーティスの物まねをしてるわけじゃなくて、
すごく声に深みがあって、しかも聞かせる声を持っているというか、
聞いていてすごく心地良いボーカルです。素晴らしい。
デビュー当初はけっこうマスコミにも取り上げられたけれども、
ブロックパーティーやインターポールほど話題にならず、地味なのも良い。
そのうち大化けするんじゃないかと期待しております。

正直、あんまりブロックパーティーやインターポールを評価していない。
別に嫌いじゃないんですよ。クオリティの高いものを作るし、ひじょうに志も高い。
でもね、1st albumがめちゃくちゃ注目されたでしょ?
持論として 、
1st albumに注目が集まりすぎるバンドは長続きしない
ってのがあるの。
これは私が10年近く洋楽を聞き続けて得た結論です。
そして、かなりの確率であたるんだ、これが。

むしろデビューアルバムは注目されず、
3作目でブレイクするバンドはたいてい長続きするし、
ビック・バンドとして生き残れる。


レディへしかり、U2しかり、cureしかり。
例外はNINだけだな。
あ、でも、ある意味『downward spiral』も3作目かも。
その前に『broken』等のミニアルバム出してるし、
それをセカンドと考えたら、3作目っていえるもんね。
とにかくデビューアルバムで高い評価を受けたり、ブレイクしたりするバンドはだめだね。
オアシスだってある意味ダメでしょ?
確かに今でも人気は高いけど、音楽的評価といったら
1stや2ndを超えられてないんだから。
だから、ブロックパーティーやインターポールみたいに
1stで注目を集めすぎちゃったバンドはダメ。
かならずどっかで息切れを起こす。
個人的には、もうインターポールは終わりだと思ってる。
ロキ○ン辺りでは高い評価をつけてるけど、
私的には完全にネタ切れしたなって思ってるもん。
joy divisionネタは長くは続かない。
じゃあ、次何をするか。REMやろうっていうのはちょっと安直過ぎない?
もっと自分達のオリジナルを作らないと。

まあ、正直stillsもむずかしいところなんだよね。
1stでいきなりメンバーチェンジの憂き目にあって、
2ndですっかり作風を変えたでしょ? それが吉と出るか凶と出るか。
個人的には2ndは好きじゃないです。

でも、このバンド、けっこうおもしろいよ。
曲とかだけじゃなくて、メンバーも。
実はこのバンド、ドラムがほとんど曲書いてるんだよね。
いまはギター件ボーカルに転向したけど。
そういうところもユニークでおもしろいかも。
とにかく買いです、このアルバムは。

全然関係ないんですが、departureのcd、コピー・コントロールがついてるのよ。
おかげでPCに入れられないじゃん! わざわざ曲買っちゃったよ。
これもレコ会社の戦略か? と思ってます。

今週あったさまざまなことなど

今週、本当にいろんなことがありました。
本当だったら大学も今月はお休み(というか終わったんだけど)で、
たくさん更新できるはずだったんですが、
予想外のことがおきまして今日まで更新できずにいました。

まず、火曜日に大学の卒業式があって
その日はそのまま友人達と大学周辺のお店で卒業パーティーならぬ飲み会決行。
しこたま飲んで、案の定次の日二日酔い。
その日一日ずっと気分が優れず過ごしておりました。

で、さらにとんでもないことが木曜日に。
実は隣家が火事になりまして(激汗)。
大学もなくお昼近くまで眠れるとずっと眠っていたら、
母に「隣の家が火事だから早く起きなさい!」と。
どうせぼやかなにかだろうと思って外に出てみたら、かなり燃えてる。
危うく類焼を受けるところでした。
さいわい、死人もけが人もなく燃えた家も半焼程度で済みましたが、
人間、パニックに陥ると何をしでかすか分からないもの。
母親は大事なものを取り出さなきゃと消防士さんがとめるのも聞かず、
家のなかに入ってしまったり、
私は私でいつもなら簡単に出せる父の携帯の番号を
出せなくなってしまって、むやみに携帯のボタンを押しまくったりと
「火」を見たときの恐怖といったらありませんでした。
そのくせ、家の燃える火をみながら、
「もし家に火が燃え移って類焼を受けたら、この場合どの判例に当てはまるんだろう」と
民法で勉強した判例が全部頭にバーッと浮かんで、
妙なことを考えてしまったりしてました。

いちばん大変だったのは警察と消防におんなじことを何度もきかれたこと。
出火当時の状況や第一通報はだれだとか、
もう本当におんなじことを何度もくりかえして、
しかも母親はパニックに陥ってしまって
わけがわかんなくなってるから言ってることも支離滅裂で、
仕方なく自分が母に代わって事情を説明しました。

消防車って思ってる以上に来ないんだよね。
いや、たぶんすごく早くには来てるんだろうけれども、
その待ってる時間といったらハンパなく長かったです。
しかも、消防車がきてもすぐには消火はせず、
まずは消火栓を探してそこからホースをつないで
消火するからすごく時間がかかるの。
119番をしてから実際に消火をするまで15分以上はかかってました。
そのあいだ私たち一家は気が気じゃありませんでした。

消火が終わってその後は気が抜けたのか、
激しいまでの疲れが。心身ともに消耗しきってました。
だけど、もっと驚いたのは母が友だちとの約束があるからって
すぐに出かけてしまったこと。
父も打ちも母の肝っ玉のでかさに半ばあきれてしまい、
おばさんのしたたかさに太刀打ちできないなーと変に感心してしまいました。
すごいね、お母さん。

だけれども、人のことは言えないかも。
ウチも次の日、買い物にいってしまったから。
めちゃめちゃ買いまくりましたよ。
春ものの洋服を買ったり。
今月はCD20枚も買ってしまうという暴挙を起こしたばかりだったのに、
懲りずに洋服もたくさん買ってしまいました(激汗)。
たぶん今月は破産でしょう。
付き合ってくれた相方も私の馬鹿さ加減にはあきれるばかり。
でもさ、洋服って魔物じゃありません?
あの綺麗な色とかわいいデザインが財布の紐をついついゆるめさせるのよ~。
洋服って確実に人を堕落させますよね~。
相方に「来月NINのCD買えなくなるぞ!」といわれなければ、
ずっと買い続けてたかも。
すっかり馬鹿になってた私でした(汗)。

人生なにがおこるか本当に分からないもんです。
母もこんなこときっと一生起こらないわよといってたけど、
本当にそう思います。
みなさんも、火の元にはご用心を。