2008/03/15

生まれてはじめて『浜崎あゆみ』を聞いてみた。

数日前、友人からブリトニー・スピアーズにそっくりの
あゆのPVがあると教えてもらったので、早速ITSで購入して聞いてみた。

『買った』てのがすごいでしょ?
なぜかというとyou tubeでどんなに探しても見つからなかったのが
思わず買ってしまった大きな要因なんですが、
でも、400円も出してただ一回見るために買う私って…。
だってどーしても見たかったんだもん。
ブリっていわれて我慢できなかったんです。

で、感想はというと
「…」
ビミョー…。
浜崎あゆみって私の中高生時代はかなり流行っていたというか、
一時期、本当にすごかったときがあって、
友だちの中にもちらほらとファンだという子がいたんだよね。
私はまったくはいっていけなくて、もうその頃はすでに洋楽派だったもんで、
よけい興味がなかった。

それに、あゆって昔からよくいわれていることなんだけれども、
マドンナに似すぎ…。
むかし『evolution』ってあゆのPV見たことあるんだけれども、
マドンナの『rain』にそっくりすぎて、逆に笑ってしまったというか…。
あゆは流行の先端ってよくいわれてるけど、
よく見ればマドンナがやってることを、
あゆがいち早く取り入れて日本に広めているという…。
そういう『からくり』が透けて見えてよけい興味が持てなかったというか。

で、今回はマドンナじゃなくてブリでしょ?
路線変更かな? と少しびっくり。
すぐうしろに倖田來未がひかえてるからね。
「エロかわ」とはいかないまでも、
彼女と同じセクシー路線じゃないと対抗できないって思ってるのかな?

でも、あゆって、まあ、あゆに限らず日本人はみんなそうだけど
「貧相」なのよ、体つきが。
いい意味でも悪い意味でも華奢だからぜんぜんセクシーに見えないわけ。
黒人と絡んでも、セクシーなダンスをしても。
だからブリとそっくりの露出度の高い衣装を着て、
「toxic」そっくりのPVをしても、まったくちがうというか…、
子どもがブリを真似てるようにしか見えないのよ。

ブリがセクシーに見えるのは、やっぱそれなりに長身で、
出るとこ出て引っ込んでるところが引っ込んでるからで、
あゆみたいな子供体型の人が「エロ」をやっても、
「????」にしか見えない。
これは日本人特有の欠点だし、仕様がないんじゃないかな。

逆に倖田來未がやってもダメ。
彼女はたしかに「エロ」なんだけれども、
「かわいい」部分は引き出すことに成功してないんだよね。
だから、すごく「下品」に映ってしまうというか。
ブリと比べてみれば、すごく分かる。
ブリって確かに最近はかなりのセクシー路線なんだけれども、
ブリのすごいところって「エロ」をやっても
不思議に他人に「不快感」を与えないところなのよ。
それは彼女にしかない「あどけなさ」や「ピュアさ」があるからなんだけれども。
つまり、彼女には「ロリータ」な部分があって、
それが「エロ」の持つ「下品さ」を消しているんですよ。
でも、倖田來未にはそれがよく分かってないんだな。

ちょっと話が逸れてしまったんだけれども、
結局なにがいいたいかというと、
もっとあゆはあゆの個性で勝負したほうがいいんじゃないかと。
ただ欧米系のアーティストをコピーするんじゃなくて、
彼女には彼女しかない個性ってあると思うんですよ。
例えば「光ものが好き」だとか。
そういう個性で勝負したほうが、
ずっと個性的で、独自性を発揮できると思うんだけれどもな。

同じエイベックスの後輩とかいるじゃん。
大塚愛とかさ。
あとELTの持田香織なんかもそうだけれども、
彼女達の優れているところは
「自分達がセクシーじゃない」ということを分かっているってことなんですよ。
だからかわりに「かわいい」という付加価値をつける。
それこそが、セクシーでは絶対にかなわない欧米人に
貧相な体型をした日本女子が唯一かなうことのできる「美」なんだから。
あゆももっとそういう日本人らしさで勝負したほうがいいんじゃないのかな。
だからといって、マドンナが昔やっていた日本趣味を
そのままコピーしてしまうのはどうかと思うけれども。

ここのサイトでマドンナ、ブリとあゆを比較した画像が見れます。

あと、もうひとつ。

NINネタで、いまlast.fmで海外のNINファンがレディへを負かそうと
一生懸命「ghosts」を聞くというので盛り上がってるんだけれども、
私は、同じNINファンでもそういうのはあんまり好きじゃないな。
別に数の上でレディへに負けようが、そんなの関係ないと思ってますから。
大切なのは「質」でしょ?
NINがいい音楽作ったらそれでいーじゃん。
そもそもカルトな位置にあるNINなんで、
どんなに頑張ったって
明らかにメジャーのレディへには勝てない気がするんだけれども。
ウチはトレントが戻ってきてくれただけで十分です。


トレント近影。トレント、痩せた? 髪が伸びたせいか昔っぽくてかっこいいんですけど。
このトレントはカッコイイです。

PICK UP:the cure その⑥:robert smith氏の音楽的背景について②-1

ちょっと飛びましたが、少しまた前に立ち戻って
ロバート・スミス氏の音楽的背景―特に歌詞的背景にせまりたいと思います。
ロバート・スミス氏はクラシック音楽に影響を受けているところがあると書きました。
しかし、多くのミュージシャン達が影響を受けているのは、
曲の面だけではなく、もっと別な部分かと思います。

以前、多くのバンドがその影響を公言しているというところで、

愛 失恋 絶望 幻想がテーマなんだ。

とリンキン・パークのメンバーのcureについての発言を載せました。

実はcureが多くのバンドに与えた影響というのは、この歌詞だと私は思うのです。
ロバート・スミスという人は、欧州人らしく非常にペシミステッィクなところがあるというか、
物事をなんでも悲観的にとらえる傾向にある人のようです。
しかし、その悲観的な世界観こそ、NINをはじめとする
現代のオルタナティヴ・ロックにもっとも大きな影響を及ぼした部分だと思うのです。

では、彼のこのペシミスティックな視点というのはどこから生まれたのでしょうか?
私はある事実に注目したいと思います。
彼は比較的裕福な家庭に生まれて、育ったようです。
ロンドン郊外のクローリーという南部の町に住んでいたということですから、
典型的な中産階級の郊外の生活を送っていたということは容易に想像できるでしょう。

余談なのですが、
イギリスのロックを語る上で重要な事柄だと思いますので、
ここであえて記しておきたいと思います。
イギリスは階級的に南北に大きく分けられると思います。
北部には労働者階級が。南部には中産階級が住んでいるという構造です。
イタリアとは逆ですが、南部に住んでいる人たちは比較的裕福な家庭が多いです。
典型的な例としては、マンチェ出身のギャラガー兄弟とロンドン出身のデーモン・アルバーンですよね。
90年代半ばに『北部の労働者階級VS南部の中産階級』という触れ込みで、
さんざん話題になりました。あれです。
いくぶん誇張があるかとは思いますが、
北部人たちが南部の人に持っている階級的嫌悪またはコンプレックスは
多少なりとも間違ってはいないと思います。


ですが、ロバートに関していえば
彼は完全なる中産階級出身者ではないようです。
なぜなら、彼は『comprihensive school』といって
いわゆる日本でいうところの公立学校に通っているからです。
中産階級ならばたいていはパブリック・スクールに通います。
たとえ経済的に豊かでなくても、
パブリック・スクール並みのハイレベルな教育を受けることのできるグラマー・スクールもあり、
それなりに階級が上の者なら、たいていどちらかに行くのが普通です。
なのに、彼はそのどちらにも行っていない。

それはなぜなのか。

もちろんいくつか理由があると思います。
まず彼の家庭がカトリックの家庭だということがあります。
パブリック・スクールはあまり宗教教育をしませんから(しても英国国教会の教義のみ)、
カトリックの環境で学ばせたいというのであれば、公立学校でも仕方がないでしょう。
このカトリックに育ったということも実はかなり重要です。
そして、もう一つ。これもかなり重要かと思います。
彼のお父さんは厳密には中産階級出身ではないということです。
いろいろとbiographyを読んでいると、
もともとお父さんは北部の出身で、
かなりの苦労をして成功を収めた人物のようです。
いわゆる『respectable working class』
―一代で階級を成り上がった人物だったと思われます。
しかし、彼のお父さんはそうとうなハンデがあったでしょう。
労働者階級で、しかもカトリックというのは、
イギリス社会では障害にしかなりません。
イギリスにおいてカトリック出身者というのは出世が限られている場合がほとんどなのです。
おそらく世界史を勉強されたことがある方なら分かると思いますが、
最近まで『カトリック禁止令』という法律があったように、
イギリスでは要職につく人は、カトリック出身者であってはいけないというのがありました。
もちろん今では廃止されてますが、その風習は今でも根強く残っています。
お父さんの苦労というのは並大抵なものではなかったでしょう。

しかし、ロバートのお父さんには相当な信念があったと思います。
おそらく彼はカトリックの教義に強く支えられていたんだと思います。
のちにロバート・スミス氏が語っているように、
お父さんは非常に強い信仰の持ち主だったそうです。
しかし、それは時として子ども達にとっては強い抑圧となりうつことがあります。

そして、スミス家の子ども達にとって
「カトリックの教義」は文字通り「大きな壁」となって立ちはだかりました。
ロバートは雑誌のインタヴューでこう答えています。

自分が子どものころ、よく父親と兄がカトリックの教義について議論をしていた。
なぜなら兄は共産主義者だったから。でも、いつも兄は父には勝てなかった。

ロバート・スミス少年はこの二人の議論を見て、
非常に感ずるところがあったようです。
そして、彼もまたお兄さんと同様
カトリックの教義と自分の信心とのあいだで板ばさみとなります。
この信仰と自分とのあいだでどのような折り合いをつけるのか。
それは少年時代から青年にかけての
ロバート・スミスにとって最大の関心事であり、
cureの世界観を形作るのに最も重要な、まさに「核」の部分となってゆきます。

では、どうやって彼はカトリックを克服したのか。
それは次回で詳しく説明します。

勝手にnew wave revival

数日前にshe wants revengeのCDを買って以来、
急にnew wave revival系のバンドが聞きたくなり、
押入れの奥にしまっていたCDを取り出して、ITSに入れて聞いてました。

今はどうなのかは分からないけれども、
数年前までは確実に80'sのnew waveを模した音がすごく流行っていて
音楽雑誌も馬鹿みたいに持ち上げていたというか、
「ロックの未来」みたいに言われてました。
で、今改めて聞いてみて、
new wave revivalってわりと音が限定されるというか、
すべてのnew waveサウンドに影響を受けているわけではなくて、
一定のサウンドだけに影響を受けているというか、
大きく分けて三つに分類することができるなと思いました。

どういう分類になるかというと、

①wireやgang of fourなどの影響を受けたpost-punk系
②daft punk周辺のエレポップ+耽美系new wave(特にcureを模したもの)
③思いっきりjoy division

①はbloc partyとかmaximo parkとかわりとイギリスに多い。フランツもね。
逆に②と③はアメリカに多くて、
②はraptureLCD soundsytemだったり、braveryだったり、
おそらくkillersもここに入るのかな。
彼らはduran duranの影響のほうが強そうだけれども。
③はねえ、ホントいっぱいいますよ。ゴロゴロと。
代表的なところではinterpolでしょ。stillsでしょ。
そして、最近聞いたshe wants revenge。イギリスでもeditorsなんてのがいるなあ。

こうやって分類してみると傾向が見えてくるというか。
なかでもおもしろいと思ったのは、②のエレポップ系new waveが
なぜかcureとリンクするってところ。
とくにロバスミのボーカルを真似るバンドって多いんだよね。
あの変に甲高いシャウトがクラブサウンドと融合したとき、
おもしろい効果が生まれると思っているんだろうか?

だけど、いちばんおもしろいと思うのは、
joy divisionの子ども達といっていいほどの③だよね。
自分とほぼ同年代の人たちがやってるんですが。
確かに聞いてみてすごく時代やいまの雰囲気に合ってるし、
クールなサウンドでありながらも、ひじょうに都会的で、
おしゃれな感じがするんですけれども、

でも、ずいぶん遠くに来ちゃったという感じもする。
本家joy divisionを聞いてみれば、すぐに分かる。
そこにはイアン・カーティスの背負っていた人生の重みや死の憧憬、
ロバスミが常に怯えている非キリスト者としての実存の不安みたいなものがぜんぜんないんだもん。
重さがぜんぜん違うんだよね。
雰囲気だけ暗くて、根っこまでは暗くない。
だから聞きやすい。she wants revengeなんて本当に聞きやすいもの。
硫酸でうすめたjoy divisionみたいな感じでさ。
切迫感さえもないんだよね。ただ退廃的で耽美な「雰囲気」の音が流れている。

考えてみれば、私たちの世代って物事を深く考えないで
いつも「雰囲気」だけに影響されているというか、
ひじょうに皮相的なものの見方しかできないなと
深く考え込んでしまいました。
あの時代の人たちはもっと「音楽」というものを
「根っこの部分」から考えていたんだろうな。

ちなみに私がつくったnew wave revival リストはこちら。

decent days night-the futureheads
apple some pressure-maximo park
banqet-bloc party
helicopter-bloc party
digitalism in Cairo-digitalism
a forest-the cure
just like TV-the departure
fearless-the bravery
you got me-VHS or beta
olio-the rapture
gender bombs-the stills
mouth filled with sand-feeding fingers
the drowing man-the cure
she wants revenge-she wants revenge(album)
she's lost control-joy division
heart and soul-joy division
24 hours-joy division

ちなみにinterpolやフランツなどの有名どこはあえて入れてません。
わざとマイナーっぽいのをいれてみました。ブロック・パーティはマイナーじゃないけど。
もしかしたらいれるかもしれませんが、なにせ大量にCDがあるので
探せずにいます。4年ぐらい前に買ったやつですからねえ。
どこにあるのか。探してから考えます。

GHOSTS~NIN 男祭り~


きのうあたりからようやく体調がもとに戻ってきました。
で、かなり間をおいてしまったので、このあたりで大量更新したいなと。
第一弾は、もちろんNINの新作の感想をたっぷりと。

原因不明と書きましたがただの風邪でした(汗)。
最近の塾の人事異動で講師が数人辞めたせいで、
仕事が全部自分に回ってきてしまい、
知らず知らずのうちに疲れがたまっていたみたいです。
自分、あんまり自分の限界を知らないというか、
単にニブいだけなのかも知れないけれども、
なんでも一生懸命やってしまうあまり、
いきなりエンジンがぶつりときれてしまうというか。
加減がわかんないんでしょうね。
お医者さんにも無理はしないようにといわれてしまいました(汗)。

たくさんの方々に心配をおかけしてしまいました。
ぶれさん、sheelaさん、Juneさん、お見舞いのコメントありがとうございます。
あとでレスさせていただきます。

前書きが長くなりましたところで、
さっそく「ghosts」の感想を。

はっきりいってめちゃめちゃ「名作」です!

3月にしていきなりbest album of this yearに決まってしまった感じ。
それぐらいの素晴らしい作品。
正直まだCD買ってないんで、ghostⅠしか聞いてないんですが、
「Ⅰ」だけでも作品の素晴らしさが容易にわかる。
ほんま、素晴らしいです。excellent! fabulous!
毎日ヘヴィロテ状態です。

やっぱNINはこうじゃないと。ずっと心配だったんですよ。
特にwith teeth以降、
自分のこうあってもらいたいNINとトレントがもとめるNINの方向性が
すごくズレていっているような気がして、
長年のファンとしてはすごく不安だったというか、
アルバムを作るたびにどんどんつまらんクラブ・ミュージックになっていくことに
我慢できなくて、NINはこんなんじゃないってずっと思ってたんですね。

もちろん、5年半ものあいだ一線から退いていたわけですし、
そのあいだに音楽のトレンドもずいぶん変わってしまったこともあって、
トレントとしてははじめてNINを聞く人にも分かりやすい音楽を提供しようと考えて
ああいうだれでもすんなりと聞けるサウンドにしようとしたのは分かるんですけれども、
でもね。それじゃあダメなんですよ。ファンとしては。少なくとも自分としては。
やっぱNINは多少難解じゃないと。ポップすぎてもダメなんです。

確かにトレントは、前衛音楽の一つでしかなかったインダストリアル・ミュージックを
ポップ・ミュージックへと引き上げた功績は評価して有り余るほどなんですが、
だからといって何でもかんでも甘い砂糖でコーティングすればいいってわけじゃなくて、
多少の毒は含んでないと、音楽としてはおもしろくないし、
何よりもトレントらしくない。
トレントはポップ・ミュージックをやってもいいけど、
聴衆に媚びてはダメなんです。その辺はロバスミと一緒。
NINとcureはポップ・ミュージックと前衛とがほどよく交じり合っていないとダメなの。

すんません、かなり長くなって。でも、NINのことになると話がとまんなくて。
ここではNINの話はひかえようと思ったのですが、
でも、ちょっとだまってられなくて。
NINのファンの人もけっこうこの流れを容認しちゃってる部分があるみたいなんで、
自分としては納得いかんと思いまして。

このアルバムを聞いてると、
最近のトレントはかなり迷走気味だったんだと。
5年半のブランクって短くはないわけだし、
彼自身かなり方向性を見失ってたって気がするんですよね。
しかし、最近短期間でたくさんの作品を作るようになってきて、
同時に音楽のカンも取り戻してきたというか。
とにかくこのアルバムはトレントにとってもいいリハビリになってる気がするんですよね。
音楽会社の重役もすっぱりやめちゃって、
フリーになったってことも、彼にとってはいい影響になってると思うし。
これで思う存分創作に打ち込めるしね。
トレントには頑張ってほしいですよ。

でも、一言だけ。
トレントさん、「ghostsⅠ」の最初の曲って
cureの「a reflection」にそっくりじゃありません?
最近「seventeen seconds」聞いてたせいかな?
すごく似てるんですけど…。 トレントさんってば。

追記:さっきHMVのHPみたら、輸入盤フツーに売ってました。
   この調子で行けばおそらく日本盤も出るかなと思います。
   オフィシャル・サイトで購入しようと思ったけど、
   日本盤だとたぶんDVDもつくと思うんで、今は静観したいなと思います