2008/02/17

そうしてemoの元祖は・・・ ~PICK UP:the cure⑤-1 emoに与えた影響 

そして、ジェラルドの元ネタはロバスミってことで、
無理やりですが、cureのemoにおける影響をちょっと。


このバンドのすごいところはemoを20年前にやってしまったということ。
もちろんこの時代にはemoなんて言葉すらなかったから、
emoを自覚してやっていたわけではないんですが、
でも、初恋のときめきとか失恋の痛みとか、若かりし頃の過ちとか
今のemoソングには定番の歌詞がこれでもかと盛り込まれている。
向こう見ずで、先のことがまったく見えてなくて、今この瞬間だけは永遠で、人生で最も輝いていて。
その純粋なときめきを音で表現させたら、このバンドの右に出るものはいないと思う。
emoバンドたちが彼らのことを崇拝するのも頷ける。
このときはまだ単なるニュー・ウェイヴでしかなかったんだろうけれども、
彼らの曲の輝きは消えることなく、 今ではemoのお手本曲とさえなっている。

米国の老舗音楽雑誌rolling stoneではこのように紹介されている。

「世界を変えた40曲」

the cure 「just like heaven」
この曲が重要だったわけ:
 この曲は新しい世界の始まりだった。ヴォーカリストにしてリーダーのロバート・スミスのアイライン、
 黒髪を逆立てたヘアスタイル、不機嫌なうめき声、苦痛と希望の入り混じったロマンチシズム。
 よく考えてみると、過去15年間に出現したアメリカのエモ・バンドのルックスやアイデアは全てここから始っているのだ。

この曲がなければありえなかったもの:
panic! at the disco、dashboard confesstional、bright eyes
(いずれもエモを代表するバンド。ブライト・アイズはフォークだが、エモに入れられることがある。
注:バンド解説は筆者)


おそらく彼らの音楽というのは、gothという狭い範疇ではおさまりきらなかったんだと思う。
あのケバいルックスのせいでgothと勘違いされたようだけれども、
また当時はemoなんて言葉も無かったから、
彼らの音楽をどう表現していいか分からなかったんだろうけれども、
内省的で、感傷的な歌詞をゴシック・ミュージックにのせて歌うのではなく、
より明るい、ポップな曲にのせて歌う
というのは、
当時としてはもうほとんどありえなったというか、やはり「新しい世界の始まり」だったんでしょうね。
それほど衝撃的だった。
だからこそ、彼らの革新性が際立つとも言えるんですが。
残念なことに、音楽評論家達はそのことをまったく評価しなかった。

ところが、emoキッズ達は違った。
彼らのポップだけれどもどこか切なく響く歌に共感した。
だからこういう記事がでたりもする。
この対談を読んでいると
「ピート坊や、ロバスミおじさんの元へ行く」というサブタイトルを付けたくなるんですが、
ピートが言うようにcureのことをアイドルだとみなしているemoバンドは多いです。
そのことはカバー曲の多さでも容易に推測できます。

いくつか紹介してみると、
taking back sunday
これ聴いたとき、cureってemoだったんだーということが初めて実感できました。
emoバンドがjust like heavenを歌うとすごくしっくりくる。

AFI
前にも載せたことがあるんですが。もう一度。MTV ICONでのパフォーマンス。
これが一番原曲に近いのかなあ。
この曲に触発されて、cureも一時期12弦ギターからエレキに持ち替えて歌っていた。

get up kids
今は無きget up kidsによるカバー。emoというよりもパンクに近い? 
でも、へんな歌マネされるよりも潔くてよろしい。かなり好きです。

dashboard conffestional
これは正式にはカバーではありません。ですが、cureの曲を引用して歌ってます。

他にもalkaline trioが「exploding boy」をカバーしたり、emoバンドはかなり彼らの曲をカバーしてます。

そして、私が彼らを見てemoだと感じた瞬間。
特に彼らをemoと思っているわけじゃないんですが、
これを見たときはなぜかエモいなーと感じてしまいました。

emoを考察してみる②。

で、ピート以降になってくるとみんなこんな髪型ばっか。↓↓↓↓

FOBの弟分、panic! at the discoですが、まさにemoキッズの典型というか。

そして、emoが更に進化するとこういう風になる。
で、↓のマイケミのジェラルド。
ここまでくると殆どゴスというか、マリマンにディスられるのも分かるような気がするんですが。
でも、ジェラルドの元ネタってこれですよね~。確実に。
この写真を見て似てるって思ったのはわたしだけでしょうか?
何年か前の洋雑誌にもジェラルドはこの写真の人物に似てるって書かれてたし。