2007/08/20

《フジロック初参戦記’07 その3》

その2の続きどす(京風。なぜに?)

 約一時間待って、ようやく自分がバスに乗り込む順番になる。よかった座れて。一時間待たされた挙句、苗場まで40分も立ちっぱだとそれこそ体力が持たないよ。
 今回の旅行の運がいいことに感謝し、苗場まで向かう。
 苗場はかなり遠い。そして、かなり山のほうにある。まあ、スキー場だからね。当たり前なんだが。ニセコみたいな感覚か? でも、ニセコはこんな山奥にはないんだがなあ。とぐるぐるとらせんを描いて山道を上る光景を見て、苗場がいかに田舎であるかを実感する。
 すげえな、ロバ。こんな田舎の山奥にまで来るんだ。あんなに日本嫌いだったのに。
 いったい何があったんだ? そんなにセールスが悪いの? 
 レコード会社の圧力? ロス・ロビンソンのレーベルだもんねえ。
 かつてのイギリスのフィクション・レーベルとは違って、アメリカのレーベルは利益に敏感だし、セールスにはシビア。嫌いもなにも言ってられない、極東でもどこでも行って、せっせと稼がないときっと新しいアルバムも出してもらえないんだろうな。
 ロバの置かれている立場の厳しさを少しかわいそうにも思う。でも、ようやく来日したんだからね。ちゃんと拗ねずにライブをして帰ってもらいたい。次いつ君が日本に来てくれるのか分からないんだから。
 バスは何度も山道を曲がりくねりながら、ほぼ40分かけて、会場に到着。
だけれども、厳密な意味での到着ではない。ここから入口まで、またさらに歩かなければならないのだ!
 てか、いったいなんなんだよ! フジロックは! ライブだろ? これじゃあまるで遠足だよ。こんなに歩いたのなんて、高校卒業して以来だ。
 心の中でぼやきつつも、CUREのためにガマンガマンと歩き続ける。
 だって、ロバもすでに同じところにいるんだぜ。同じ会場のどこかで自分たちの出番を待機してるんだよ。信じられん! もう漲りまくり!
 って、その前に会場につかなきゃ話にならん。ていうわけで、ひたすら我慢して歩く。会場入口まではゆうに500メートルはあろうかという距離。しかも、恐ろしいほど天候がよく、暑い。
 あ”ーーー、あ”づい”。くそーー、ロバ。あたしがこんなつらい思いをすんのも、ぜんぶあんたのせいだぞぉぉぉ。きちんといいライブ見せてくれよなあと懸命に歩く。
 会場横のリストバンド交換所でリストバンドを交換。
 おおおお。これでようやく会場入りかあ。しかし、この時点でかなり体力を消耗。やっぱ北海道人はだめだね。すでに本州の暑さについていけなくなってる。
 時間はまだ1時ちょっとすぎ、これからあと8時間は待たなきゃならんというのに、こんなことでどうすんの! 
 でも、だめなものはだめなんだよぉぉぉとヘロヘロになりながら、どうにか会場入りする。
 ところが、グリーンステージの場所がわからん。間違ってキャンプサイトのほうへと向かってしまい、係員に入口が違いますよといわれる。
 入口が違うって、まだ入口じゃあないの?
 信じられーーーん!
 頭の中でがんがんとリフレインしながらも、グリーンステージ会場まで我慢して歩くことにする。とにかく会場に行かなきゃ話にならん。
 休むとしてもグリーン・ステージまでは行かなきゃ。さらに歩くこと10分。川が見えてくる。すごく水のきれいな、せせらぎ。男の子たちが水遊びをして涼をとっている。
 いいなあ、自分も水につかりたい。
 そう思いつつも、会場へと向かう。ようやくフジロックの看板が見える。
 あーあ、やっとついたよ。10分ほどかかってようやく入口。
 入口ではもちろん持ち物検査あり。かばんを開けて、不審物がはいっていないかをチェック。
 もしかしてカメラや携帯もとられるのかな? などと不安に思ったが杞憂に終わる。携帯とかは持ち込み大丈夫なんだね。普通にいいですよといわれ、通される。
 よかった。
 会場のなかに入るとすでにで店が幾つか並んでいる。ここでご飯でもと思ったが、もっと奥のほうで食事をとることにする。すぐ近くでオフィシャルグッズの販売がおこなわれていて、CURE関連の商品がないかなと思い、出向いたが、公式グッズの販売しかされておらず、失望。隣のアーティスト関連の商品を見たが、CDやDVDの販売ばかりで、これまた失望。
 別にここで無理して買わんでも、ほかでも買えるしな。それに、すでに持っているものばかり(汗)。
 あきらめて目的のグリーン・ステージへと向かう。
 暑い、とにかく暑い。だんだん気分が悪くなってくる。
 湿度が高いわけではないんだが、強烈な陽射しにやられまくり。
 うううっ、腕が痛いよお。太陽湿疹ができるよお。
 もう既に体力の3分の1ほどを消耗。食事を取る気力もなく、苗場食堂のあるオアシスエリアを抜けてグリーン・ステージへと向かう。
 メインのグリーンステージはけっこうでかい。4万人収容できるという話だがすごいじゃん。でも、CURE相手にそんなに人集まるのかあ? せいぜい2000がいとこじゃないの?もしかしたら2000も集まらんかもしれん。
 でも、いいや。あんまり人多くてもいやだし。とにかく自分はなるべく前で見たいからとなるべく人が集まらないことを祈る。
 しかし、その前に体力回復が必要だと、なるべく木陰を探す。
 ものすごい人。いったい何人集まっているんだろう。レジャーシートを強いて座れるエリアにはすでにもうたくさんの人たちが陣取っている。
 しまった。休める場所がないじゃないの。と思いつつも、グリーンから少し離れた斜面の木陰を見つけ、そこでしばし体力回復を待つ。
 もう既にかなりの気力、体力を使い果たしてしまい、結局お昼も食べず、そこで寝込むことに。しかし、サウンドチェックの音がうるさくてよく眠れない。それでも、無理やり寝てやろうとなんとなく寝にかかったとき、爆音が・・・・。
 いったいなんだよ・・・・。と思ったらKEMURIのステージがはじまっていた。
 げげげ、KEMURIかあ。あんまり邦楽アーティストって興味がないからなあ。と再び横になる。だが、眠れん。音がすげーうるさいんだよ。
 特にドラムと、ベースの低音がマジからだに響く。地面を伝ってそのままダイレクトにからだに振動として伝わるんだな・・・。
 うううっ。寝たいのに・・・。
 結局眠れないなりにも必死で眠ろうと努力し、なんとか無理やり横になる。無視が時折腕に這う。軽くよけながらも、強引に横になり続ける。
 いぜん、KEMURIの爆音が響き渡る。きっついなあ。CUREまで体力持つかなあ。
 とにかくひたすら横たわる。一時間後ようやく終了。爆音が消える。よかったあ。これで本当に寝れるぞと思ったとたん。再び爆音が!
 Jarvis Cockerだよ・・・・(涙)。
「common people」、けっこう好きだったのになあ。近くで見たいんだがなあと思いつつも、体力が追いつかず、大画面でのみの観賞になる。
 でも、ソロとしてきてるからPULP時代の曲はやってくれないんだな。
 Jarvisはひょろひょろの身体で、奇妙なパフォーマンスを繰り広げている。
 ホント変な動き・・・。それにMCが多いような気が・・・。もっと曲をやってくれなきゃ。
 しかもJarvis、イギリス人のワーキングクラス出身だから、英語がよく聞き取れない(涙)。
 すごくユーモアのあることを言っているんだろうけれども、よう分からん。
 きっと観客の日本人もわたしと同じだろう。
 どこかしらけた雰囲気で彼を見ていることが遠くからでも容易にうかがえる。
 うううっ、Jarvis・・・。なんだかかわいそうな人だ・・・。
 ようやく一時間が過ぎてJarvisのステージが終わる。
 次はいよいよKINGS OF LEON。ナップスターですでに予習済みだが、楽しみ。
 この人たちけっこういい音出すんだよね。
 でも、今日の目的はあくまでもCUREだから。KINGS OF LEONの途中ぐらいからモッシュピットのなかに入って、MUSEを見て、CUREをなるべく前で見ようと決心する。 
 KINGS OF LEONがはじまり、モニターで彼らのパフォーマンスを見る。
 すげえ、まるでジョイ・ディヴィジョンのリズムにガレージ・パンクのメロディを合わせたような音。すごくクールで、重厚で、かっこいい。まだデヴューしたての若いバンドなのに。落ち着いた演奏ぶりもいい。   
 しかも、イケメンぞろい。なんでもメンバーのうち三人が兄弟で、残る一人はいとこなんだとか。
 すげーな。すごくルックスのいい一族なんだね。
 ボーカルの人、めっちゃかっこよくて、セクシー。デルモみたい。
 全部見たいけれども、グッズも欲しいからとりあえず近くにグッズ売り場に並ぶことにして、ライブの後半を前方で見ることにする。
 丘陵を登り、オフィシャルグッズ売り場へ。なんだアーティストのTシャツを売っていたのか。こりゃCURE買わにゃあならんと列に並ぶ。どこに行っても列ができてるんだな。仕方がない。CUREのTシャツなんてめったに売っていないもんな。
 長い行列の最後尾に並ぶ。
 思ったよりも早くグッズが買えた。パンフと、もちろんCUREのTシャツ。
 CUREの名前なんて知ってるのかなと疑心暗鬼気味に、売り子さんに
 「いちばん左端にCUREってありますよね?」と尋ねる。
 店員さんはすぐに分かってくれ、
 「ああ、CUREですね。わかりますよ」とすぐに応じてくれた。
 Tシャツ代、3000円とパンフ代、1500円、計4500円を支払い、KINGS OF LEONが歌っている会場へ。
 周りはけっこう人が集まって、みな彼らに聞き入っている。自分もモッシュピット手前の芝生に座りながら、彼らのパフォーマンスを見る。
 ホントかっこいい。思わず踊りたくなる。
 もしかしたらすごくいいバンドになるかもしれないと期待も大。おそらく彼らもCURE好きだろうなと推測する。だいたい、ジョイ・ディヴィジョン系が好きなやつはCUREも好きだからね。 
 もう少し予習をしてくればと後悔する。後半になってくるとだんだん飽きてくるんだ、同じ曲調の曲が続くから。もっと予習をすれば曲の違いが分かり、楽しめたんだが・・・。
 ごめん、KINGS OF LEON。次、君たちを見るときはもっと予習してくるから。
 KINGS OF LEONの演奏が終わって、モッシュピットの近くへと向かう。MUSEが終われば次はメインアクトのCUREだ。なんとしても前で見なければとすべての気力をフル動員して、待ち構える。係員の一人が危ないですから、なかの人が出てから入ってくださいと指示する。なるべくじっと構えて前方を狙う。たくさんMUSETシャツを着ている子達もMUSEを前方で見ようと待ち構えている。そうだよね。お気に入りのアーティストは近くで見たいもんね。
 モッシュピット内の人たちがすべてではらって、なかへとはいる。
すごい。熱心なMUSEファンの子達が一斉に前方へと走ってゆく。自分もなるべく前方へと向かう。ちょうど最前列から七列目あたりの位置をキープする。かなりの好位置。MUSEが終われば、MUSEファンの子達は去ってゆくだろうし、うまくゆけば最前列にいけるかもしれない。
 かなりいいぞとMUSEの出番を待つ。